第6話 廃墟探索2
廃墟探索2
「お前あいつと仲良かったっけ?」
教室から出たところで、誰かが話しかけてきた。
今日は何だかよく人に呼び止められる日だな。
やはり同学年の秋雄だった。
そんなに親しくはないが、何度か飲みに行ったりした事がある。
てか、親しい友達ってのがいなかったな。
「何だ、うらやましいのか?」
「ちげえ、ドアホ」
こいつ口が悪いな。
「廊下でぶつかって、そのあと席が隣になっただけだ」
オレはあった事をそのまま伝えたが、
「おい、百億万年前の少女マンガじゃねーんだから、んな訳あるかい」
ツッコミかい。
「用事は?」
「飲み会の人数が足らん、おまい入ってくれ」
「オレはいいけど」
オレはチラリと蛇女を見る。
蛇女は器用に肩をすくめた。洋ドラの登場人物かよ。
「あ、そっか」
秋雄は何を勘違いしたか、うなずいて、
「昼間のやつも誘うからよ、二人でランデブーしろや」
「ソレチガウ(=・ω・)/」
なんやかんやで飲みに行く事になってしまった。
で、飲み会に出た。
まあ、半ば予想はしてたが、ほぼ男女が気に入った相手を探す目的の内容。
有り体に言えば合コンと同じ。
そして何故か夕凪がいたりする。
メイクとか服装とかかなり気張っていた。
「なんでおまいがいる」
「別にいいでしょ」
「しかもオサレ頑張ってるし」
「こういう場にきたら当然の身だしなみだよ」
あー言えばこー言う。
そんで、何かオレが夕凪担当みたいな雰囲気が出来上がってしまっていた。
ま、その方が気楽ではある。
うちの妖怪さんたちに触れても構わないのは助かるしな。
適当にだべってると、
「じゃあさ、肝試しにいこうぜ」
宴もたけなわではございますが、という所で秋雄がアホな提案をした。
アホな若者ども定番の、肝試しでキャッキャウフフというやつか。
くだらねー。
秋雄のやつ、意中の女の子がいるのかもしらん。
でないとこんなイベント作らんだろうし。
別に興味はなかったが付き合いで行く事になった。
ま、蛇女さんがいれば本物がいても大丈夫だろうしな。
電車で移動して目的地についた。
宅地から少し離れた場所にある建物。かなり大きい。何かの施設っぽかった。
「うわ、秋雄君、ここマズイよ」
着くなり夕凪が真っ青な顔してダメ出しをした。
「ここ有名なスポットだよ」
それを聞いた女子が皆引いたようだったが、
「仕込み乙」
「なんだよ、打ち合わせ通り? 演技力あんなw」
男子が茶化したので、なんだー。みたいな雰囲気になった。
みなこの機会を逃したくないんだな。
でも本物がいるんじゃな。
「これが噂に聞くDQNというやつか」
蛇女は面白がっていた。
いや、ある意味間違ってはいない。
結局、ちょっとだけ入ってみようという事になった。
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