おかしの街

クッキーを食べ終わるとエーデルはカールにつられて街へ散歩に出かけた。カールの家がある住宅街を抜けると1本の大通りが見えてきた。通りには小売店が並び、入口にたった瞬間甘い香りがエーデルの鼻を突き抜けてきた。

「さてエーデルよ。ここが街のメインストリートであり、ルアロが世界に誇る⌜おかし街道⌟だ!この道1本に世界中のお菓子が集まっているんだよ!」

コットは誇らしげに紹介した。確かに大通りの看板を見ると、見たことの無いような字がたくさんあり、お店の人たちも様々な格好をしている。エーデルの心は自然と踊り出した。そしてエーデルは誘われるように歩き出した。カールは楽しそうに笑うエーデルを見て何度も通ってたはずの道がまるで新しく感じるのだった。

通りには本当に様々なお店があり、チョコレートやキャンディの専門店はもちろん、東の国のおかしである和菓子や見たこともないほど美しく作られたケーキが売られた店などエーデルの心を引くようなものばかりだった。歩く途中、エーデルは少し疑問に思ったことがあった。それはどこのお店を立ち寄ってもみんなカールの存在を知っていたのだ。さらにある人はわざわざカールに会いに来る人までいたのだ。

「カールおじさん、ちょっといい?」

「どうした?」

「なんでこのおかし街道の人達はみんなカールおじさんのこと知ってるの?」

「それはな、このおかし街道を作ったのは俺だからだ!」

「·····作った!?」

「そう、正確にはセリアが提案し俺主導で実行したんだ。ここはな、俺が引っ越してきた頃は廃れた大通りでな、もっとここを活気づけたいと思って俺の会社が買い取って世界各国のおかし職人の方々を集めておかし街道を作ったのさ!いわば俺はこの街道の社長ってことだな。」

エーデルはあまりに大きなことで絶句してしまった。そんなエーデルの姿を見てカールは声を上げて笑った。

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