エーデルの成長

エーデルは大きな病気にも見舞われず、すくすくと大きくなっていった。しかし小柄なのは変わりなく、いつまでたっても物静かでマイペースな男の子だった。のんびりとした性格とニコニコと笑顔で話す姿で、幼稚園に上がるとすぐに多くの友達に囲まれていた。そしてエーデルには少し変わった癖があった。それは泣いている子や喧嘩をしている子を見つけると、すぐ近くへ駆け寄り頭を撫でながら「大丈夫大丈夫。」と声をかけるのだ。誰から習った訳でもなく、自己的に始めたのだ。元々エーデルは喧嘩や争いが好きではなく、お菓子の取り合いなど友達が喧嘩をしていると自分の取り分を分けて喧嘩を沈めるなど、心優しい子供だった。それゆえかもしれないが、どのような理由にしろ困っている人を助けるのは良い事だと、エーデルの行動をコットとルージュは嬉しく思っていた。そしてコットはいつもエーデルに、

「困っている人がいたら助けてあげなさい。それは誰にだってできることじゃないんだ。エーデルだからできるんだよ。」

と声をかけていた。コットがそういうとエーデルは嬉しそうに笑うのだった。

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