3.僕は×××.
血液型ってあるじゃないですか。
そうそう、血液の種類みたいなやつ。
A、B、O、AB。その中でもいくつか分類があったり。
なんかこう、複雑らしいんですよ。
しかも、型の違う血液が体に入ると拒絶反応が起こるらしい。
それで死ぬ人間もいるんだとか。
病院だと「輸血」ってやつをすることがあるみたいで、その前にはきちんと検査をして、間違った血液が患者の体に入らないように細心の注意を払っているそう。
大変なんですね。
話は変わるんですけど、キメラって知ってます?
種類の違う生物を掛け合わせた、ちょっと奇妙な見た目をしたやつ。
顔は犬、体は虎で、羽が生えてて、みたいな感じで。
あれって、複数の遺伝子が体で共存して、ああいう姿になってるんだとか。
実際には伝説上の生き物って言い伝えられてたりするけど、昔は人間にもいたそうですよ。
会ってみたかったなぁ、なんて思ったりしてます。
キメラ繋がりで、遺伝子の情報って何に含まれてるんだろう、と思って何となく調べてみたんですよ。
そしたら、細胞、血液、なんか諸々。
とりあえず難しいことは抜きにして、その人から採取されたものには遺伝子情報が含まれてるってことらしいです。
へぇ、なるほどなぁ。
それでね、思ったわけです。
他人の血液を体内に入れたら、ある意味キメラにならないのかなって。
だって、血液にも遺伝子の情報があるんでしょ。
それが体内に入ったらさ、自分と他の血液が共存してる状況が出来上がるわけじゃないですか。
つまり、違う遺伝子同士が体内で共存してるってことにならないんですかね。
ねぇ、貴方はどう思いますか。
ところで、最初に血液型の話したじゃないですか。
僕ね、生まれてから今まで、自分の血液型って知らないんですよ。
調べる機会もなかったので。
あ、でも病院は消毒臭くて敵いません。
多分一秒だって中にいられないと思います。
実は僕、すごく鼻が効くタイプなんですよね。
それに、病院のほとんどは昼間にしか営業してないでしょ。
僕、基本は夜行性なので、夜にしか活動できないんですよね。
まぁ、今まで拒絶反応なんて一度も起こしたことないですし、検査する必要はないのかもしれません。
それにもし検査をして僕が自称キメラだとバレたら、どこかの誰かが研究材料にしようと捕まえに来るかもしれませんしね。
あ、そろそろ食事の時間みたいです。
それでは皆さん、またどこかで。
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