第45話
45
エリンは、フロストランドとの交渉の話しで持ちきりだった。
当然、スクリュー船を見たことがない血気盛んな者たちがフロストランドに対する憤りを抑えきれずにいる。
元々エリンの民は海戦にプライドを持っている。
統治者がなにもできずに言いなりになるというのは我慢ができないのだった。
その憤りと不満は一気に高まっていった。
下手をすると、フロストランドに再び襲撃を仕掛ける可能性もある。
「……なんかマズイ状態になってきましたね」
エリン兵がつぶやく。
「ふうん、面白くなってきたなぁ」
ブリジットは嬉々として言った。
船団の一味は皆、酒場の2階の部屋に缶詰状態である。
いい加減、疲れてきたところだ。
そこへ、兵士たちの中でフロストランドへ殴り込もうとしているヤツらがいるという噂が入ってきた。
「アタシらも参加しようぜ」
「お嬢……」
エリン兵がジト目でブリジットを見る。
「これ以上、なにかしたらオレら処刑ものッスよ」
「チ、ツマンネーノ」
ブリジットは吐き捨てる。
ちょうど酒場の賄いが運び込まれていて、食事をしている。
「てか、上の命令で出撃したのに、こんな所へ押し込められるってなんだよ!?」
グビッとビールを煽った。
「仕方ないッスよ、オレらが見つかったら実行犯として引き渡さざるを得なくなるでしょうから」
「チッ、逃げ隠れするなんて性にあわねーんだよなぁ」
ブリジットは舌打ちして料理にかぶりつく。
肉と野菜を煮込んだシチュー。
豚の血を固めたブラックプティング。
オーツ麦と小麦を水で炊いた粥。ポリッジ。
オーツ麦を固く焼いたビスケット状のパン。オートケーキ。
……等々。
「いや、オレら、フロストランドのヤツらに見つかったら、大氏族長に保護してもらえませんぜ」
別のエリン兵が、しょぼくれた感じで言った。
「まさかーッ」
「上がしらばっくれたみたいですからね」
「なんだって!?」
ブリジットは驚いた。
父のリアムは庇ってくれる、そう思っていたのだ。
「クソ、父上のバカ!」
「そう怒らないでくだせえ、上も苦しい立場なんでしょうよ」
「だってよー」
ブリジットはよほどショックだったのか、涙を浮かべている。
「フロストランドの船はオレらも見たじゃないですか、下手に対応すればアレと戦うことになるんですぜ?」
「……ぐ、あんなのはもう二度とゴメンだ」
ブリジットは固まった。
フロストランドの船を思い出したのだろう。
「エリン船団で束になってかかっても勝てねえですぜ」
「だよなー、バケモンかよ、マジで」
「大氏族長が勝てないの分ってて戦いを挑みますかい?」
「……な、なに言ってやがる、父上は戦いから逃げるような人では…」
ブリジットは抗弁しようとしたが、
「戦って負けた後はどうすんです?」
「ぐ…」
「ヤツらに良いように略奪されるかもしれませんぜ」
「それだけならまだいいけど、ヤツらの支配を受けたりしないとは限らねえですぜ」
兵士たちはそれなりに教育を受けた者ばかりらしく、先の方まで考えていた。
「……じゃあ、アタシらずっとこのまま隠れてなきゃいけねーのかよ」
「ほとぼりを冷まして、フロストランドには近寄らねえのがいいですぜ」
「くそー、お前ら物わかり良すぎだろ」
ブリジットは悔しそうに言った。
*
この待遇は捕虜になったエリン兵士たちも同じである。
エリン政府が身代金を払ってすぐ解放されると思っていたのが、事はそう簡単でないことが分ってきた。
「エリン政府はしらを切ったぞ」
「え!?」
アレクサンドラに言われて、コルムは驚いた。
コルムたちは狭い一室に全員押し込められていた。
ヨルムンガンドはデカい図体のくせに、内部は見たこともない奇妙な機械がぎっしり詰まっていて、居住スペースが狭いのが特徴だった。
捕虜の扱いは悪くなくて、どうやらヤツらの話しを聞くに捕虜であっても非道な扱いは禁じられているようである。
しばらくは部屋に監禁されていたが、コルムだけ呼ばれたのだった。
コルムは船長室へ通された。
「つまり、君らは保護されない」
アレクサンドラは通達した。
「……」
コルムは黙り込んだ。
言葉が見つからない、だがしかし、動揺の中でも考えていた。
「いや、オレらは自分たちで勝手に襲撃したんだ。政府は関係ねー」
コルムは政府に話を合わせた。
任務に失敗して捕まった場合、助けが来るとは限らない。
しかし、助けのあるなしにかかわらず、邦を裏切ったら残してきた家族が肩身の狭い思いをする。
既に勝手に襲撃したことになっているので、それだけでも家族が嫌がらせなどを受けるかもしれない。
とにかく、コルムは兵士であることを優先した。
「ふうん、まあいいさ」
アレクサンドラは曖昧にうなずいた。
「とりあえず、捕虜として滞在してもらう」
「……」
コルムは返事をしなかった。
いや、できなかった。
巴たちは身代金をとるつもりはなく、また捕虜を引き取ってもらおうと考えていたのだが、
「その者らは我らとは無関係だ」
「どうしてもというのでしたら、引き取りますがね」
「しかし、犯罪者だから相応の処置をせねばならぬな」
ギャラガーとブレナンは、そう言って身柄を引き取るのを拒否した。
コルムたち捕虜の身柄は宙ぶらりんに浮いてしまった。
処置、つまり処刑されるのが分っていて、捕虜を引き渡すのはスネグーラチカの考えに反している。
フロストランドの行動理念だ。
「ここで解き放ってまた襲撃でもされたら困るしなぁ…」
巴が頭を抱えている。
世の政治とは巴が考えているより難しい。
「エリンのお偉いさんも苦渋の決断だったんだろうね」
アレクサンドラはサバサバしている。
こんなのはロシアでは日常茶飯事なのだ。
「でも、いつまでも捕虜を抱えている訳にもいきませんよ」
フローラが言った。
「いつ何時、反乱を起こされて内部から食い破られるとも限りませんし」
「だよなー」
巴は椅子に身体を預けて仰向けになる。
「いっそのこと、海に投げ捨てちゃおうか」
「おいおい」
アレクサンドラがツッコんだ。
*
エリンの有志が集まって、フロストランドを襲撃した。
帆船が数隻だ。
前回と同じく、集落を襲った。
すぐにヨルムンガンドが出動して、撃退した。
これが数回、繰り返された。
捕虜数が増えたのだった。
「……」
リアム・オサリバンは頭を抱えていた。
最初から覚悟していたとは言え、何度も起きればエリン政府が対応せねば、フロストランドから報復されかねない。
「まさか、これほど反発されるとは思いませんでしたな」
配下が「もう、どうにでもなれ」ってな感じで言った。
「それより何より、ブリジット様が襲撃に加わってしまわれたのはマズいですな」
「それだ、それ!」
リアムは顔を真っ赤にして喚き散らす。
「いつの間にか酒場を抜け出していたとはな!」
最初は大人しくしていたのだが、有志による襲撃が始まったのを見て、いてもたってもいられなくなったのだろう。
仲間の兵士にも黙って酒場から抜け出したのだった。
「それは娘だから助けてくれ、とは言えませんしねぇ」
配下が腕組みしながら言う。
「そのような真似はできぬ」
リアムは今度は顔を真っ青にしていた。
「例え、ヤツらに処刑されたとしても、皆の手前、娘だけを助けるなどあり得ん」
「ですよねぇ」
「むしろ、我らが引き締めのために襲撃者どもを処刑せねばいけないくらいです」
「うぐ…」
リアムは泣き出しそうになっている。
彼が娘を溺愛しているのは皆も知っていた。
「……なにか上手く解決する方法はないか?」
「……」
「……」
配下は無言である。
政治に携わる身なら、時には冷徹な判断を下さねばならない。
皆、本心では辛いのだ。
*
「お嬢、なんで来ちゃったんです?」
コルムはため息をついた。
「るせぇな、やっぱコイツらに一泡吹かせたくなったんだい」
ブリジットはふて腐れている。
一応、部屋は男女別にはなっている。
トイレはオマルが貸し出され、食事も1日3回差し入れられる。
意外と旨い飯だった。
スープに小麦粉を練って包丁で切ったような細い食べ物が入っているもの、
小麦粉を練って麺棒で薄くのばして焼いたものに炒めた挽肉と野菜がのっているもの、
蕎麦とオーツ麦を炊いた粥、
蕎麦粉を水で溶いて焼いたもの、
……等々。
船上では水が貴重なため風呂には入れないが、それでも待遇は良い。
監視付きで部屋の外、捕虜たちに与えられたリクリエーション室にいることが許されている。
監視には屈強なドヴェルグ、プーカがついていた。
反乱を起こす気すら起きない。
「その結果、オレらみたいな捕虜になっちまった訳ですかい」
コルムは天を仰いだ。
「オヤジさんに顔向けできねぇぜ」
オヤジさんは大氏族長のリアムのことである。
「ふん、アタシが自分で責任取るさ」
ブリジットは言ったが早いか、
「やいやい! フロストランドの女ども!」
リクリエーション室から大声で外に向かって叫んだ。
「アタシらを解放しやがれ!」
「おい、黙れ」
監視が制止しようとするが、
「なにを騒いでんの?」
「威勢がいいな」
「面倒ごとはゴメンですよ?」
大臣たちがやってきた。
「すぐに黙らせますから」
監視のドヴェルグが言ったが、
「ちょうどヒマだったんだ、話を聞く」
「了解でさ」
巴が言うと、ドヴェルグは敬礼した。
「解放しろとか、随分と勝手な物言いだな」
「勝手と言われても、監禁しつづけられてアタシら参ってんだよ!」
ブリジットは喚いた。
「せめてどっかの土地に降ろしてくれよ」
「アホか、解放したら、また襲ってくるだろーが」
「いやー、勝てねえの分っててやらねーよ」
「信用できるか、4回だぞ襲撃してきたの」
巴はブリジットを睨み付ける。
「ちょ、お嬢、なにやってんスか!」
コルムがブリジットを止めようとする。
「ハナセ!」
「止めるな、エリン兵!」
「うひぃっ!?」
ブリジットと巴に怒鳴られて、しおしおのパアになる。
「ちったあ、自分の置かれた立場を理解しろ、生かされてるだけマシだと思えよ」
「ありがとうございます……とでも言うと思ったのか!」
ブリジットは逆ギレした。
「アタシら、エリン人はこんな屈辱耐えられねぇんだよ」
「捕虜が偉そうに言うわ、言うわ」
巴が煽ると、
「こんのーッ!」
ブリジットは怒り心頭で、巴に詰め寄った。
「お、やるか!?」
「おう、やらいでか!」
「なら、甲板にでろ」
「出てやる、吠え面かくなよ!」
巴とブリジットは二人してリクリエーション室を出ていく。
「うげっ、大変なことになった」
コルムは真っ青になって慌てる。
一応、捕虜も外に出て見てよいような雰囲気になっている。
監視はかなり厳しくなっているが。
即席のエキシビジョンという感じだ。
「素手でいいか?」
巴はベキボキと拳の関節を慣らしている。
ケンカしたくて仕方がないといった様子だ。
「武器なんざいらね、ステゴロで十分だ!」
ブリジットは両手で巴の肩を掴もうとする。
瞬転。
「ぐえっ」
ブリジットは次の瞬間、甲板に転がっていた。
鈍痛が背中に広がっている。
「口ほどにもないな」
巴はポンポンと裾を払っている。
「ちくしょー、余裕ぶちかましやがってー!」
ブリジットは起き上がり、再び掴みかかる。
相手の両足を刈りにいく。
刈り倒してから馬乗りになり、腰刀で首を斬りにいく。
素手なので殴るに留めるだろうが。
戦場の格技である。
しかし、巴は心得ているとばかりにブリジットの勢いを止めた。
腰を落として、手を相手の腕の内側に差し込む。
帯を掴み、反対の手で袖を掴んで固定し、足を払った。
ブリジットの身体が回転して、また甲板へ転がった。
「ぎゃふん」
「腰が浮いてるぞ」
巴は汗もかいていない。
「威勢はいいが、基礎ができてないな」
「うるさい!」
ブリジットは起き上がってかかっていくが、その度に転がされた。
「根性だけは褒めてやろう」
巴はそういうと、くたくたに疲れて動かなくなったブリジットを尻目に去って行く。
「おい、お前、お嬢とやらを部屋に連れてってやれ」
「わ、分った」
コルムは慌ててブリジットを助け起こした。
*
ウィルヘルムに住むダン族は皆、メルクへ引き上げることになった。
疎開である。
戦いが始まるのが分っていて敵地へ残る訳にはいかないのである。
ウィルヘルムも疎開は認めていた。
ここで妨害して、ダン族の恨みを大きくしてしまうのを避けたのだった。
引き上げが済んで、すぐ、シルリング王からメルクへ通達が下った。
「これが最後通達になる。大人しく王国に権益を委譲せよ」
「お断りします」
メルクの返事は変わらない。
これで戦いは確定した。
ウィルヘルムはシルリング王国として兵を集めた。
クリント、アルバ、エリンから軍が派遣されてくる。
4勢力が揃ったのは、帝国を押し返した時以来である。
しかし、アルバ、エリンは兵士を出したものの、ウィルヘルムに協力する気は薄かった。
その理由は主としてフロスロランドとの交易にある。
フロストランドより要請されれば、交易相手の顔を立てない訳にもいかない。
それに内心はアルバもエリンも、いつも上から目線で命令してくるウィルヘルムを疎ましく思っていた。
メルクへ協力している訳ではないので、ウィルヘルムはフロストランドとの交易を咎める事はできないというのもある。
まあ、イヤミはいうだろうが。
その2勢力の態度を見て、クリントも自分だけが労力を払う訳にはいかないと動く気がない。
結果として、ウィルヘルムだけが力を出さなければならない状況になった。
メルクとフロストランドが裏でつながっているのは明白であるが、ウィルヘルムはそれを分断することができなかった。
ゴブリン族内部の反乱が鎮まったことがきっかけで、フロストランドは内部の憂いがなくなった。
方針転換をして外へ出るようになり、アルバ、エリンとつながりをもってしまった。
アルバやエリンにとっても、フロストランドの進んだ技術や商品は魅力的である。
ウィルヘルムには一々報告などせず、ドンドン交易を進めている。
それに対し、ウィルヘルムは苦々しく思っている。
フロストランドとメルクが一駒ひっくり返した状態だった。
ウィルヘルム率いるシルリング王国軍が、メルクの城壁を取り囲むように布陣している。
メルクは城門を固く閉ざして籠城する構えだ。
補給は港からフロストランドより購入した物資を運び込んでいる。
攻城兵器がそれほど発達していない時代だ。
補給を止めない限り、いつまで経ってもメルクが弱ることはない。
しかし、そんな状況にもかかわらず、戦いをエンジョイする連中はいる。
ウィルヘルムのグリフィス家と、メルクのニールセン家である。
グリフィスとその取り巻きが兵を率いて城門の前に現れ、ニールセンとその取り巻きが兵を率いて城門から出撃する。
城門はすぐに閉じてしまう。
死んでこいということだ。
グリフィス軍対ニールセン軍の戦いがまた繰り広げられる。
とりあえずこの二家が激突するので、戦の体裁は保てているが、他の勢力は静観するのみであった。
損害を嫌ったのだ。
戦で損害を被ってもシルリング王国が補填してくれる可能性は低い。
皆、そう思っているのだ。
王家自身が消極的である。
二家が消耗して、戦うのをやめると、城門が開いてニールセン家の生き残りが帰って行く。
グリフィス家も陣地に戻って行く。
その繰り返しであった。
「我らだけが戦っておるではないか!」
グリフィス家の当主、エドワード・グリフィスが怒鳴った。
陣のテントで、作戦会議という名の休憩をしている時である。
皆、鎧を着込んでいる。
「うむ、ご立派」
「まあ、当然だな」
他家の者がお世辞を言うと、エドワードは気分がよくなったのか、ドヤ顔をしてみせるが、
「いや、そういうことじゃない!」
すぐに気付いて、また怒鳴る。
「なぜ、おぬしらは参加せぬ!?」
「頃合いを待っておるのだ」
「なんの頃合いだ?」
エドワードは聞いた。
「おぬしらは、ただ見てるだけではないか!」
「そう言われるのは心外ですな」
他家の者たちは、ハッハッハッと笑って誤魔化した。
グリフィスに戦わせて間を持たせるのも、もう限界らしい。
「とにかく、明日は皆、参戦せよ!」
「分り申した」
「頃合いや良し、ですな」
適当な事を言って濁す。
*
メルクでも似たような感じであるが、基本方針として籠城なので、ニールセン家が文句を言っても通らない。
「ワシらだけ戦っておるではないか!」
アブサン・ニールセンは訴えたが、
「いや、籠城すると言ってるだろう?」
アナセン伯は呆れたように言い返す。
「おぬしが戦いたいと言うから外に出しているのだ」
「ぬ…、しかし、あまりにも消極的ではないか」
アブサンは口ごもる。
「私は籠城して時間を稼ぐと言いましたよね?」
アナスタシアが見かねて口を出してきた。
ダン族ではアナスタシアの意見が絶対である。
「はい」
アブサンはそれ以上、話を続けることができなかった。
しょぼんとしている。
「まあ、無意味に戦ってもらっている訳ではありません」
アナスタシアは言った。
「敵の目を引きつけてもらっているのです」
「そ、そうだ、引きつけているのだ」
アブサンは立ち直って胸を張る。
「ふふ」
アナスタシアは、ニールセンの者も幼い頃から見てきている。
分け隔てなく大事に思っている。
それが孤立したように戦わせているのは心苦しいのだった。
「補給を維持するには、港の防備を強化しなくてはいけません。
敵はすぐに港を突いてきます」
「はい、フロストランド製の武器を購入して、我が軍に装備されています。
その最新武器を装備した部隊を港の防御に当てています」
アナセン伯は言った。
これはウィルヘルム側も考えていて、グリフィス家に敵の目を引きつけさせ、こっそり兵を港へ集めていた。
港を落とさなければ補給が途絶えない。
ここを攻撃するのは急務であった。
「準備整いましてございます」
「うむ、ではかかれ!」
部下の報告を聞き、部隊長が命令を出した。
隠れていた兵士が武器を抜いて、港へ押し寄せた。
港では防衛部隊が並んでいた。
横一列に並んでいる。
手には妙な形の手槍のような物を携えている。
「む…」
嫌な予感がしたが、部隊長は今更引けないと思い直し、突撃を敢行した。
ばあぁん!
轟音が響いた。
と思ったら、前線の兵士たちがもんどり打って倒れた。
……なんだ!?
ウィルヘルム兵の突撃が止まる。
「装填ーッ!」
敵の方向から声がする。
兵士が一斉に立て膝になり、手槍を立てて何やらしている。
「構えーッ!」
「撃てーッ!」
ばあぁん!
また轟音がして、兵士たちが倒れた。
……マズい。
部隊長はやっと我に返った。
「退けーッッ!」
大声で叫び、兵士たちは後方へ下がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます