第四章
◇ 未来/4 ◇
いつの間にか彼女は一人で外に出ていってしまった。
この雪が降りそうな寒空の下、
警察にも連絡し
もちろん自分も走り回って街中を探し回った。
彼女が自ら命を断とうとする前に、自らの未来の出来事を伝えてしまったのは誤りだった。
どうして記憶の奥底に
彼女に伝えた未来の出来事は、記憶を失った彼女にはそれだけが
彼女を助けようと思って行動したことが、自らの命を絶とうとさせてしまい、要らない記憶だけ焼き付けてしまった。
もしもこの映像を
■■ 4 ■■
ピンポーン。
イマイの部屋のインターホンの音が部屋に響き渡る。
「誰だ……、こんな時間に……」
イマイが玄関のモニター映像を確認すると、そこには黒と赤のゴシックロリータの服を着た小柄な女性が
「本当に誰だよコイツ……」
イマイが
「お知り合いの方かしら?」
「そんなわけないだろ!」
インターホンが鳴り止んだと思うと、カチャっと
「嘘だろ……」
イマイが
「どうして何度殺しても生き延びる未来が出来るのかしら。死神の手を
ゴシックロリータの服の女性は刀でミライの心臓を一突きした。
刀を抜くとミライの胸から血液が
ものの十数秒の出来事を、イマイはただ立ち尽くして見ることしか出来なかった。
明らかに今まで見てきた映像とは異質で、救い方が思いつかない光景であったからだ。
しかし、イマイはその光景を己の眼に焼き付けるとともに、部屋に飾ってある日めくりカレンダーを凝視した。
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