第5話 あの時のセリフ……

ライムは……大柄な男を注視し始めた。


(いつかはずだ!)

と??その時!!



大柄な男は……ライムの書き終えた紙をジット見つめたまま



ライムのアンケート用紙の体重の記載する欄を、目を細めて見ていた。


大きな男は舌なめずりして、

ニマニマと笑っていた。



アンケート用紙を丁寧に扱い、

大男は部屋を出て行こうとした。


咄嗟に、ライムは大男に飛びかかった!



大男は、一瞬訳が分からない状況だったが、ライムは

アンケートを書いた時に使ったペン先を


大男の目に、勢い良く!!!


大男は、のたうち回り

痛さの余り叫び声をあげた!!



ライムは、その隙に大男の腰辺りをあるポケットやら、

何やらをさぐった。ポケットからは、色々な物が出てきた。



鍵、個々の部屋に通じる鍵の様だ。

後は、先ほどのアンケート用紙

それに、注射器と小さな容器に

が入ったモノを持っていた!



ライムは、大男が苦しんで

バターーン!!バターーン!!



大男を実験部屋に閉じ込める事に成功した。



次に……ライムは、灯りを探した。

(ロウソクか?懐中電灯は?)



廊下が真っ暗な状態で、灯りもなく歩くことは危険だ。


そして……この施設内は

あり過ぎる!!




『どうにかして脱出しなければ。サーシャに……生きて帰って

抱き締めるんだ!!!サーシャ

1人だけ、残すわけにはいかない!!!』




その時、鍵を閉めたにも関わらず、大男が扉に跳び蹴りなのか?

よく分からなかったが


大きな音が聞こえ始めた。




ライムは震え上がり、また鼓動がドキドキし始めた。






ライムが暗い廊下を走り出すと

ドンっ……!!!と



何かに当たって倒れてしまった!



ライムは、手探り状態で

触ってみると……



手触りが、妙に生暖かく、そして……ヌルヌルとしていた?!





ライムは、臭いを嗅ぐために

ヌルヌルした手を鼻に向けると、






思わず、吐いてしまいそうなほどの異臭が手に染みついて

しまった!!!




ライムは、余りの異臭に……

先ほど着替えたボロギレの布で


手を拭った。



その、足を引っかけた異臭を

放つモノを、またぐようにして


その場を去って行くと、




異常な声が後ろから聞こえた。




ライムが振り返る間もなく……



』と、思い切りライムの首に噛みついてきた!



ライムは、注射器でをブッ刺した!!



ライムは既に、精神状態が

普通では無かったのだ。






何度も、何度も、

ライムは注射器でブッ刺し続ける!!



いつしか、ライムは

気が遠くなってきて…………



自分の意思とは、裏腹に


哀しいさだめの肉体へと変貌して

しまったのであった。



脳内の記憶が、だんだんと、

薄れていく。



ライムが最後に思ったことは、




サーシャの笑顔だった。





つづく

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