第3話 いわゆる、出来損ない
その大きな男は、1枚の紙をライムに渡して、ぶっきらぼうに
話を始めた。
『治験期間は、早くて2日間
…………遅くて4日間』
ライムは答える。
『はっ……はい!!』
『今から、身体測定するから。
コレに着替えて。』
手渡された着衣は、ボロギレの様な布が、1枚だけだった。
ライムは思った。
(絶対怪しい!?)
ライムは大きな男に質問を投げかける。
『一体、どの様な治験内容なのですか?!』
そして……大きな男は、
不気味な笑みを浮かべると、
『出来損ないか、成功か?だけだ。』
ライムは瞬時に頭の中で警鈴が
鳴った!
元々、ライムは大学院の主席だったので、治験には馴染みがあったが、
これは、ヤバすぎるぞ!
と考え直していた。
サーシャには悪いけど。今回は
危険だ。
辞めておこう。
そう考えていたのを、大きな男に
見破られたのか?
逃げようとするライムの腕を
きしむほどに
大きな男は強い力で
離さなかった。
ライムの不安は的中してしまった。
逃げようにも、逃げられない。
頑丈な個室に、全身黒づくめのスーツ姿の大きな男は……
『まぁね?俺は出来損ないだったけどな?』
そう一言ライムに向けて伝えると
眼差しの奥に怪しく光るモノを見た。
『後数時間で、俺は…………
お食事タイムだ。』
腕を離そうとしない大柄な男は……。
ライムに獲物を狙うかの様な
鋭い眼光で…………言った。
『お前…………美味そうだな?』
ライムはその時、自分の身に降りかかった災難に
ただただ震えて
声も出すことすら出来なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます