第9話〜蹂躙〜

ワキガが暴れ出し混沌とした教室。1人、また1人と犠牲者が増え続ける。タケノコガールはさすがにまずいと思ったのかワキガを止めようとした。しかし、暴走状態のワキガはなかなか止まらない。タケノコガールは勇気を振り絞り、ワキガが襲おうとしていた標的を突き飛ばすようにして目の前に踊り出た。

「やめないか。」

「ヴゥゥ!!ウヴヴッッッ!!!」

あまりのワキガの気迫と匂いに次第に後ずさるタケノコガール。

後ろは壁。ついに追い詰められてしまった。

ワキガは腕を振り上げる。手先がタケノコガールに当たる刹那、電撃が走った。

ワキガは電撃が放たれた方向を向く。

そこには、トールとシヴ、そしてサイバー高校生とボスがいた。

ワキガは標的をタケノコガールからこの4人に移し攻撃を仕掛ける。

シヴがわずかの間詠唱しワキガの脚を氷漬けにする。

脚が急に動かなくなりつんのめったワキガ。

その隙を見逃す者はいない。トールが再び電撃を発する。

ワキガにはあまり電撃は通用しないようだ。

と、ここで一時傍観していたサイバー高校生がタケノコガールの救出に向かう。

脚の氷が溶け、再び自由に動けるようになったワキガ。自らに危害を与えられないと考え、ボスを狙う。

ここでワキガがタケノコガール及びサイバー高校生を標的にしていたら未来が変わっていたのかもしれない。

ボスは向かってくるワキガに対し、たった一言。

「燃えろ」

突如としてワキガが燃え上がった。

だが、身体は莫大な損傷を抱えてるにも関わらず決して引く気を見せない。

嘆息し、トールが懐から鎚を取り出すと直立していたワキガの頭の上から振り下ろした。

鎚に当たった直後、ワキガは僅かな破片を残して爆散した。

これにより教室内の危険物質は排除されたが手足がバラバラにされた“元”クラスメイトもいれば、失禁し介抱されている者もいる。

あちらこちらで治癒魔法や治癒魔術を使うが魂が抜けたものはどうしようもなく供養するしかなかった。

そんな惨状に先程まで失禁していたタケノコガールは自分の無力さを嘆いた。

また、異質な物体は“注目されることなく”教室の隅に佇んでいた。

やがて赤かった教室の床が綺麗になった時、一人でに異質な物体は“一部を除いて“注目されずに動き出し外に出た。

その際「俺はガスだ」と言ったとか言わなかったとか。真相の程は定かではない。

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