第8話〜兎〜

教室がざわめく。

担任の顔が青ざめる……。

教室が混沌と阿鼻叫喚に包まれ、闇で覆われたこの瞬間。

「ホ、ホームルームはこれで終わりにする。」

担任は早足気味に職員室へ向かった。

「アイツ、来たのかよ……」

「怖いよ……怖いよ……」

クラスのみんなの視線の先にはワキガが立っていた。仁王立ちである。

鼻をツンと刺すような強烈な臭い、この世の全ての醜悪を寄せ集めたような容姿。

化け物と言っても差し支えないだろう。

突如ワキガは女子生徒を持って壁に叩き付けた。

「オイ!オイ!返せっつってんだろ!?おい!?」

バキッボキッグチャッ

鈍い音がクラスに響く。みんな黙ったままだ。

「俺は!ミ=ゴなの!お前らとは違うの!!!」

ひとしきり女子生徒で遊んだあとワキガは叫んだ

「ヒィィーハッハッブリジャビョズボボボボッッ!!!!」

奇怪だ。怖い。

「まだ前奏曲に過ぎません。これから私達の望む"サファリ"がやって来るのです」

それだけ言い残してワキガは自分の机に着いた。

「よ、今日も朝から飛ばしてんな。」

「ンギィィィィィ!!!!!???」

ワキガはハムスターのようにポケットの爪をずっと齧っている。

「ったく、仕方ない。いいか?ワキガ。樹状細胞の抗原提示にはちゃんと応じてくれよ?」

「了」

ワキガは食作用によって周りの人間を食い散らかした。

「やば、プレミしたかもしんねぇ!」

ヘラヘラするタケノコガール。

逃げ惑うクラスメイト。

この教室ももう"サファリ"になってしまったようだ。

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