第2話〜school〜

学校にたどり着いたタケノコガール。

その頃にはもう肌の変色が消えていた。不思議である。

隣の席にはトールが既に来ていた。

トールは無類の金髪好きで事あるごとに金髪の布教をしている。実際のところ銀髪でも赤髪でも青髪でもいいらしく、ただ黒髪がそこまで好きではないという確固たる趣向を持っていた。

そんな彼はタケノコガールの友達の中で唯一の彼女持ちである。もちろんトールの彼女は金髪碧眼色白美少女なのだが。

タケノコガールの他の友達は逆張り陰キャや腋臭持ち、サイバー高校生などだ。

タケノコガールはその社交性と天性のコミュニケーション能力によって友達になった者が多い。

そんなタケノコガールは、今日も今日とて気怠げに受けるのであった。

学校という束縛から解放されしタケノコガールは魔道式小型電子通信機で彼女(2次元)を愛ではじめた。

ひと通り愛で終わった頃には友達が周りに集まってくる。今日はカラオケに行くことになった。

カラオケに着くとアイスコーヒー、オレンジジュース、カルピスを注文し歌い出す。大抵歌いはじめはトールである。トールの甲乙付かない極めて微妙な歌声を聞いた後、サイバー高校生がラップを歌い出し、タケノコガールはアイドルソングを歌う。実に混沌である。

ひとしきり歌い終わり今日はお開きとなった。

それぞれが各々の道を歩んでいく。

バラバラな性格の人がよくここまで集まった者だと一人感心する。

家に着き鏡を覗き込む。

しかしそこにはショゴスに侵食されたはずが元通りのままだ。不思議な予感がしたが特に気にすることもなくタケノコガールは深い眠りに堕ちていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る