朝起きたら自分をショゴスだと勘違いした俺が仲間と共に青春を楽しむ物語〜∫は消えろ〜

ショゴス

第1話〜咎〜

目覚まし時計の音で目を覚ました。

「はぁ…今日からまた学校か」

久しぶりの登校日ではあるが特に何も変わらない、退屈でいつも通りの一日が始まるんだろう。

眠い目をこすりながらタケノコガールは朝食の支度を始めた。

「今何時…って、もう50分じゃねぇか!初日から遅刻はまずい…」急いで洗面台に向かい、髪を整えてこよう。そう思い洗面台に向かったのだが…

「……ん?」何かがおかしい。

寝惚けているのかと思い、漫画やアニメなどでありがちな手法ではあるが自分の頬を抓ってみる。

「うーん……」鏡には見慣れた自分の顔ではなく、黒くて粘着質のあるドロドロのスライムが映っていた。しかしタケノコガールは既にこんな見た目の生き物を知っている。

「俺はショゴスになっちまったのかもしれねぇ」

ショゴス。クトゥルフ神話にて、遥か古来、古のものより作られた人工の奉仕種族。遥か古来といっても滅びた訳ではなく、高度な知能を持つショゴスは現在も様々な生物に擬態して生き延びているらしい…。とはいえまさか自分がそのショゴスだとは思わなかった。

「…電車間に合わないしそろそろ家出るか」

タケノコガールは非常に順応力のある男だった。突然のアクシデントにも屈さずただ自分の与えられたタスクの完了だけを目指していた。

「なんて言うか、今日はツイてねぇな…」

最寄り駅に無事着いたやや早足気味のタケノコガールは溜息混じりに呟いた。

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