第8話第七目標は大変そうだ!
唯一の親友に頼み事をするのは気が引ける。
関係を歪ませたくない大切な親友なのだ。
幼稚園から友達の中島光輝。
幼い頃からずっと親友と言っても過言ではない。
彼は主に株の売買で儲けているデイトレーダーだ。
そんな彼にだからこそ頼める事案が浮上している。
それが白河里央の経営する会社の株を買ってもらうこと。
できるだけ多く。
具体的には大株主になれるくらいに。
今ある貯金と休日に馬券で儲け続けたお金をそれにつぎ込むことを決意する。
「光輝くん。頼めるかな?」
「問題ないよ。Rio’sを買い占めれば良いんだろ?少し時間がかかるけど利益度外視でいいなら大丈夫だよ」
「本当かい?それなら頼んでもいいかな?」
「あぁ。サイコを苦しめ続けてきたやつには痛い目見てもらわないとな」
彼は凄くいい顔で俺に悪い笑みを向ける。
「落ち着いたら飲みにでも行こう。今夏休みだろ?」
「うん。またそのうち。仕事の合間中にお邪魔して悪かったね」
「良いってことよ。それじゃあまたな」
それだけ告げると彼の家を後にして帰路に着く。
金策と悪巧みを両手に担ったEXミッションもこっそりと完了しつつ本来の目標に移行した。
街を歩いて適当に昼食を取るため飲食店に入店する。
軽くファストフードを食べて店の外に出ると女性の集団に声を掛けられる。
「あれ?先生じゃない?」
その声のする方を向くとうちの女子校の生徒たちだった。
「やっぱり!サイコ先生だ!何してるんですか〜?」
女子生徒は俺に気付くとこちらに駆け寄ってくる。
「こんにちは。友達の家に遊びに行っていた帰りですよ」
「本当は彼女と遊んでたとか?」
「彼女なんて居ませんよ」
「そうですよね〜。彼女なんて居たら恵が泣いちゃいそう」
そう言うと彼女らは軽く笑っていた。
「どうして白河さんの名前が出てくるのですか?」
などと言って白を切ると彼女らはわざとらしく口を抑えていた。
「私達が言ったってことは内緒で〜!先生も鈍感なところ直したほうが良いですよ?」
彼女らの言葉に軽く微笑むと何となしに頷いておく。
「夏休み中も恵の相手してあげてくださいね!?きっと今頃待っていますよ」
「待ってる?何をですか?」
「連絡ですよ!連絡先教えるので先生からしてあげてくださいよ」
「結構です。私から生徒に連絡することはありませんよ。もしも白河さんから連絡があれば無視するようなことはしませんが」
「本当ですか!?じゃあ恵に連絡先教えてもいいですか!?先生の連絡先教えて下さい!」
そう言うと彼女らはスマホを取り出した。
「悪用しないでくださいよ」
それだけ告げると彼女らは連絡先を受け取り街の中に溶け込むように消えていった。
そのまま帰路に着いている途中、連絡を受ける。
(想定通り。恵は友だちにも俺たちの関係性を暴露していないんだな。これで計画も順調に進みそうだ)
そんな事を思いながら電話に出る。
「もしもし?」
相手はもちろん白河恵だ。
「先生!今何処ですか!?」
「街から帰っているところです」
「今から会えませんか!?」
「会う?何処でですか?」
「お母さんが会いたいって言うんで家に来てもらえませんか?住所はメッセージで送ります」
「わかりました」
そこまで会話をすると俺は歩いて彼女の家に向かう。
到着してインターホンを押すと彼女はすぐに玄関を開けた。
「先生いらっしゃい!早く入ってください」
手土産を持って中に入ると少しの違和感を感じる。
「あれ?里央さんは?」
「あぁ〜…。仕事に行っちゃった!どうしても外せない用があるんだって!」
その言葉を耳にして内心でほくそ笑んだ。
「では帰らせてもらいます。親御さんが居ない時に生徒の家を訪れるのはルール違反なので」
などともっともらしいことを口にするとわざとらしく踵を返す。
のだが…。
彼女は俺の手を強引に引っ張るとそのまま抱きついてきた。
「やだ!行かないで…?」
その甘えたような声を耳にして俺は一つ嘆息して見せる。
「じゃあ今日だけですよ?」
「うん…」
そしてそのまま家に入ると彼女は自室に案内した。
此処から先は過度な性描写なため削除。
そして、里央が帰ってくる前に帰宅するのであった。
帰宅すると部屋の匂いが少しだけ気になった。
今まで無かった感覚に少しだけ驚く。
(嗅覚が戻ったか。目標は順調に進んでいる。元夫の所在も尋ねて…最終的にはどん底に落とさなければな…。次の目標を決めなくては…)
そこまで思うと熱いシャワーを浴びて眠りにつくのであった。
このストレスに抗いながら最終目標を叶えることが出来るか、俺は自分の心に今一度問いかけるのであった。
第六目標完了。100/100
里央、恵の好感度未だ上昇中 512/100
第七目標、里央に結婚してほしいと言わせること。または恵に父親になって欲しいと言わせること。 16/1000
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