第12話 スキルと称号を決めよう

「お次は、ユニークスキルだね…これまたいっぱいだなぁ~。定番チートの【鑑定】【アイテムボックス】【全属性魔法】なんてかなり魅力的だけどやっぱり異世界だったら健康系の固有スキルにするべきだと思うだよね…だからこれに決めたっ!

【病気知らず】


 ユニークスキル:病気知らず :病気にならない。

              

 怪我や毒はポーションで治るけど病気はなぜか異世界転生、転移の物語であまり描かれないんだよね。ポーションでも治るのかもしれないけど…ウィルス感染にポーションや【ヒール】などの回復魔法って効果が無いような以前からしてたからね」


「おめでとうございます!職業、ユニークスキルと順調ですね。称号はどうしますか?職業もユニークスキルも戦闘系ではないのでちょっと心配です。ヤチヨさんの元の世界より危険がいっぱいですからね。街を出ると普通にモンスターが徘徊していますから」


リンアーナが笑顔で危ない事を呟く。譲は心の中で「確かに」と呟き称号について質問をする。


「称号ってさ、俺が知っている知識だと職業やその人の偉業などについてくるものじゃない?でも初めから選べるってどうゆう事?」


「ヤチヨさんのおっしゃる通り普通は偉業があって称号です。でも転移・転生の特典なので職業のスキルを増幅させる称号でも追加スキルを取得できる称号でも選び放題ですっ!」


譲はリンアーナの発言に「それでいいのか?」と感じつつ「危険がいっぱいの世界みたいだからいいか?」と自己完結し称号を選び始めた。選び始めふと思い立ち戦闘系の称号を確認し目的の称号を発見した。そして迷うことなく選択し決定を行いリンアーナへ選択終了を知らせた。


「もう決めたのですか?前の二つに比べて早かったですね。何にされたのですか?…えーっと”つえせい”で読み方あってますか?」


「うーん、ここには”じょうせい”って書いてあるな。剣聖の杖(じょう)バージョンだと思うよ。剣聖や槍聖までは聞いたことあるけどここには他に斧聖、槍斧聖、鎚聖、棍聖、弓聖なんて全部の武器にあるんじゃないかって思うほどあったよ。これも職業神様が作ったの?」


「戦闘系の称号は戦神のおじ様が作られたので…他の称号を作られた神々と競われたのかと…あはははぁ~」


「なにやらそれ以上聞くと危険な感じがするから、やめとくけど戦神様には感謝だね。まさか、”杖聖”があるなんて」


「杖ってあの、魔術師が魔法の増幅器として使ったりお年寄りが歩行時に使用する物ですよね?戦えるのですか?」


「もちろん、元の世界には突けば槍払えば薙刀打てば太刀~という言葉が杖術にはあってね、俺は杖術が最強と習ったんだ。生前は流派は無くなっちゃけど師範代でもあったんだよ」


「へぇー人は見かけによりませんね。あ、ごめんなさい」


「うん、良く言われるから気にしてない。しかしかなりぶっ壊れてるな…全ステータス500%アップって…

 

 杖聖…杖を装備時全ステータス500%アップ。

    ステータス限界突破。

    杖術の技を完全に使用可能。

   ※杖聖を掛けて1対1の勝負を行い負けた場合は、杖聖の称号は勝者に移る。


 最後の注意は日々の鍛錬を怠るなという戦神様の訓示だろうな…ありがとうございます」


「…えっ?はい、はい、ちょっと待ってくださいメモを取るので。どうぞ、杖を装備時に上昇した体力や魔力は装備を外した時に装備時の状態の割合値に戻ると。


はい、例えば魔力がステータス500%アップで1000になっている時に900使って100の時に杖を装備から外すと10%の20になるとあとは、自力での訓練をする時は【称号OFF】と唱えるか念じればいいと。


はい、伝えておきます。はい、はい、今度遊びに行きますからねーはぁーい、ありがとうございました。…はぁーあ、すみません。今戦神のおじさまから連絡があって」


「大丈夫。全部聞いてた、大切にされてるんだな」


「うーん、良くわかりませんが…ありがとうございます?」


「よし、全部決まったぞ。次は何をするんだ?」


「もうお終いです。短い間でしたがとても楽しかったです、これから先ヤチヨさんの人生に幸多からんことを此処から時々見ていますね。次回合うときはヤチヨさんが転生の輪に戻られるときになります」


「そうか、もう終わりか。人生を全うすると最大で50年くらいか?だいぶ先になるけど、次あった時は楽しい人生だったと自慢してやるよ。忘れないでくれよ」


「もちろんです!ヤチヨさんは私が異世界より連れてきた第1号なんですから。それに女神の私にとって50年は一瞬です。あと、レベルを100以上にすれば人間でも150年くらい生きられますよ」


「おおぅ、それは良い事を聞いた。50年じゃ時間が足りないと思ってたんだよ」


「あっそうだ、これを」

リンアーナは譲の右手を両手で包むと自分の額につけるとリンアーナの両手が光る。手を離されて右手を見ると右手の甲に桜の花びらをかたどったあざがついていた。


「それは、私の力を象徴する印で特別な力は無いけれど、また戻られた時にすぐにわかる様にね」


「ありがとう、再開を楽しみにしているよ、リンアーナ。おっなんだこれ?体が透けてきた」


「それでは、そろそろ時間ですね。ヤチヨさん本当にごめんなさい、楽しい人生を。行ってらっしゃい」


「もう、気にするな。ありがとう、行ってきます!」

譲がリンアーナに別れを告げると視界が真っ白になり少しの浮遊感を感じ再度足の裏に硬質な床の上に乗った感触がしたので目を開けると先ほどと同じ白い空間が広がっていた。

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