第17話 いーっぱい、こーしろーくんにあまえましゅねー!
「えへへっ、つかまえましたよー」
「ぬおわああああああっ!」
ぜっ、全裸の優花が俺のすぐ上にいいいいいいっ!
まずいって。激しくまずいって。胸なんか目と鼻の先だよ?
しかも、予想以上に大きい……。
初デートで優花が俺の腕に抱き付いてきたとき弾力あったから、大きいほうだとは予想していたけども。
この大きさだと87くらい? いや、もっとあるかもしれない。
優花がこうもご立派な胸を持っていたとは。
いいのか? 風紀委員がこんなエッチな胸持っていていいのか?
「こーしろーくん。いぬのどうがをいっぱいみたら、いぬとしてふるまいたくてしかたにゃくにゃってきました」
頬は真っ赤で、相変わらずろれつが回らない状態の優花。
犬になりたいとか言ってるわりに「にゃ」って言いまくってるな。というツッコミが一瞬浮かんだ。
しかし優花のわがままボディのエグさに気を取られ、突っ込む力は失われた。
「だからぁ。いーっぱい、こーしろーくんにあまえましゅねー!」
「そんなことより服を着てくれ! って、ひゃあっ!」
「んんっ……ぺろっ……。こーしろーくん……こーしろーくん……!」
「やっ、やめろ! ぬあっ!」
初デートでの映画鑑賞後のように、優花は俺の頬を舌で舐め回してくる。酔っ払っていて理性がなくなってるせいか、前よりも勢いや力が上な気がした。
ていうか、舌で舐められるのもあれだけど、それより胸だよ胸! 今優花の推定80後半の胸が俺の体に押しつけられてるんだけど。
しかもさっきから優花が動く度むにゅむにゅ胸が躍るからもうやばいって。ノーブラの巨乳の弾力半端なさすぎるって。
「ここも、なめちゃいましゅねー……」
「だからやめろって──あひいっ!」
首! 首舐められたんだけど!
あっ、ちょっ、頬舐められるのもくすぐったいけど、首を舐められるのもけっこうくすぐったい……。
頼む。頼むからもうやめてくれ……。
「こーしろーくんのみみ、よくみたらおいしそうでしゅね……。よーし、たべちゃいましゅよー! あむっ!」
「んなっ!?」
みっ、耳たぶガジガジ噛まれてるんだけど!
これは、いわゆる甘噛みってやつか?
「んっ……くちゅ……もむっ……! うーん、おいひいれすー……! まるでグミのようにゃだんりょくかんでしゅ……!」
「俺の耳はお菓子じゃない!」
くそっ、このままじゃらちが明かない。
ひとまず優花の酔いを冷ましてあげないと。そうしないと優花の暴走は止まらん。
「こーしろーくん、にゃんでまだふくきてるんれすかー? わたしはぬいだんれすから、こーしろーくんもぬがにゃきゃだめれすよー!」
「いやいやいや! 俺まで服脱ぐとか意味わからないって!」
「しかたにゃいれすねー。わたしがぬがせてあげましゅ! えいえいー!」
「って、こらっ! ブレザーのボタンを外すんじゃない!」
「うふふ! ぬがせおわったらー、ほかのところもいーっぱい、なめたりかんであげましゅねー。じゅるり……」
誰かあああ! 誰か助けて下さいいいいっ!
全裸の酔っ払いに襲われています!
このままだと、俺の大事なものが奪われそうです!
「おい、優花! いい加減にしないと──」
とそのとき、急に俺の制服を脱がそうとする優花の動きが止まった。
それとほぼ同時に、すーすーという可愛らしい寝息が聞こえてくる。
「ねっ、寝てるのか……?」
優花は時計で言うと一一時の方向に頭部を向け、俺に覆い被さったまま寝ていた。
アルコールを摂取すると寝てしまう人がいるというが、優花もそれと同じ状態になったらしい。
「助かったあああ……」
よかった。あのまま酔った優花に俺の大事なものを奪われちゃうかと思った。優花のことは好きだけど、酔っ払った状態の優花にあんなことやこんなことされるのは違うしな。
それはそうと、今のうちに服を着させたほうがよくないか?
でも、無理に着させようとしたら起こしちゃいそうだし……。
「寝かせておくか」
●●●
「もう日が傾いてきたか」
あれから俺はベッドを脱出し、優花に布団を被せ俺のベッドで寝かせてあげた。
気持ちよく眠る優花を無理に着替えさせ、その際に起こしてしまうのは気が引ける。加えて無理に着替えさせる際、全裸の優花が理性を取り戻した状態で目を覚ましたとする。その場合俺が優花に淫らなことをしたと思われかねない。
そこで俺は酔いが覚めて本調子に戻れるよう、優花をゆっくり寝かせることにしたのだ。
正直、ベッドから脱出するのは大変だったけどな。全裸の優花の体をどかさないといけなかったし。
優花の体に触れたときはドキドキしすぎて心臓破裂するかと思ったよ。
「んっ……んうっ?」
「おっ、目が覚めたか?」
「あっ、あれ……? 私、どうしてベッドに……?」
「チョコレートのお菓子にお酒が入ってたみたいでさ。それ食べて酔っ払ったあとに寝ちゃったんだよ」
「はっ、はあっ……」
まだピンと来てないらしく、優花は間の抜けた返事をする。
「ごめんな優花。お菓子にお酒が入ってると俺が気付けなかったばかりに。具合は悪くないか?」
「えーっと、大丈夫だと思います」
優花の顔は酔ってたときと違い赤みが抜けていた。もう酔いは抜け、正常な状態に戻ったとみてよさそうだ。
「うーん、何だか体がひんやりします。制服着ているのに──」
ふと優花は自分の体のほうに目線を落とす。
直後、自分が服を着ていないことに気付いてしまった。
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