第13話:どう帰るって? パワーだよ



 話は逸れるが、実はこの世界……様々な用途に特化した人型のアンドロイドがそれなりに市場へと出回っている。


 そういった職業の者たちの強い反対によって様々な規制はあるものの、数多に存在する商品の一つとして市場に流通されている。


 その値段や性能はマチマチだが、前世に比べてはるかに発達した未来でも使われているあたり、人間が持つ本質的な需要は世界が変わっても変わらないのだろう。



 で、話を少し変えて、戻す。



 そういったアンドロイドにおける規制……いや、その用途に限らず、惑星によって生じる細やかな違いの他に、宇宙法に定められた大原則とも言える規制が一つある。


 それは……生体部品を使ったアンドロイドに関する規制……いや、はっきり言おう。



 つまりは、『クローン人間』の製造禁止である。



 これはまあ、倫理的な問題もそうだが、何よりも問題視されたのは、犯罪に悪用される可能性だ。


 なにせ、クローンは生育環境によって多少なり見た目の違いが出たとしても、DNAは一緒である。


 一般的に認知されている動かぬ証拠というやつが、この場合に限って、本人であると意図的に誤解させることが可能なのである。


 そうなれば、どうなるか……パッと思いつく限りでは、スケープゴート、身代わりといった辺りだろう。


 もちろん、科学が発達したこの世界においても、クローン人間を作るのはそう簡単ではなく、相応の資金と設備がいる。


 なにより、クローンはその性質上どうしてもオリジナルより免疫構造に虚弱性を抱えやすいという弱点を抱えており、それは今もなお解決に至っていない。


 だから、この世界において許されているクローンは、臓器移植の為のクローン……すなわち、一部分のクローンのみが限定的に許されている……というのが現状であった。



(……用途は、性産業用か? それとも、猟奇的な……まあ、どっちでもいいか)



 そうして、部屋ごとに並べられたカプセル(クローン人間入り)と、そのカプセルを前にポツポッと業務的な会話をしている職員と思わしき人たちの背後を通り過ぎながら……理解した。



 ──だから、あれほど地上に監視装置が多いのか、と。



 確かに、こんなのが露見してしまえば身の破滅……いや、それどころか、エルフという種族そのもの、立場が根底から崩れかねない。


 そりゃあ、同族だろうと捕らえようとするわけだ。


 アルクサリアの父が見たのがコレなら、何が何でも殺そうと動くし、多少のリスクを取ってでもアルクサリアの口を塞ごうと私兵を動かすのもまた、理解出来た。



 理解出来たからこそ、彼女は内心にて溜息を零した。



 この星に来ている富裕層のいくらかが、ココの顧客であり、コレを楽しむ為に来ている……推測だが、可能性は非常に高いだろう。


 そして、使い道に関して碌でもないのもまた、そうなのだろう。臓器のクローンではなく、人間のクローンを作っている時点で、その用途がまともでないのだから。


 というか、それ以外でわざわざクローン人間を作る理由なんてないだろう。相応に広い敷地や設備、なにより資金が必要なのだ。


 万が一見つかれば、極刑は確実。働いていた職員たちも相当に重い刑罰が科せられるだけあって、仄暗い用途以外では使い道がない……それが、クローン人間なのである。



(これほど多種多様なクローンが作られているあたり……もしかしたら、セクサの生体パーツもこんな場所で作られていたのかもな)



 そう考えると、これはある種の里帰りになるのか……ちょっと憂鬱になりながらも、スキャンにて地下施設の地図を細やかに更新し続けながら、先へと向かう。


 自分一人だけならば、ここまで詳しくスキャンをする必要はないが……行きとは違い、帰りではアルクサリアが居る。


 アルクサリアが全身アンドロイドで電脳だったならば、彼女の体内(腹部に、格納庫を作れる)に隠してステルス逃走するところだが……あいにく、アルクサリアは生身だ。



 必然的に、生身の身体で出来る事は非常に限られる。特に、身体能力が未熟な子供ならば。



 なので、急ぎたい気持ちはあるけれども、逃走経路をあらかじめ定めておかなくてはならない。少なくとも、外に出るまでのルートを決めておく必要がある。


 そう判断した彼女は、焦る気持ちを抑えつつも、一つ、また一つ、セキュリティの為に閉じられた扉や隔壁を擦り抜けながら……アルクサリアが居る屋敷へと向かった。


 ……ちなみに、少し話が逸れるけれども、彼女が立ち並ぶカプセルを見てすぐに『クローン』だと気付いた理由は、カプセル内に浮かぶ者たちの顔だ。


 よくよく見ればほんの僅かばかりの違いこそあるが、ハンコを押したかのようなそっくりな顔がズラーッと並べば……嫌でも理解してしまうというものだ。







 ……さて、だ。



 そんな感じで屋敷へと向かった彼女だが、道中の説明は省く。だって、いちいち説明する事でもないし。


 ステルス状態の彼女は、言うなれば当たり判定0のすり抜け状態。とりあえず、人間の感知能力(監視装置含め)で彼女を見付けるのは不可能。


 なので、彼女やアルクサリア自身に異常が無ければ、問題など起こるわけがないのだ。



(……眠っている? いや、眠らされているのか?)



 で、ハッキングAIによって盗み取った情報より、彼女はあっという間にアルクサリアが眠っている部屋へと侵入を果たしたわけだが……さて、ここからどうしたものかと彼女は首を傾げた。


 ネームレスに搭載された機能を用いてスキャンを行えば、『薬物による睡眠状態』と結果が出た。


 なので、ムラクモのハッキングAIより、室内の映像をリアルタイムで改ざん。薬が良く聞いて眠り続けているという光景をねつ造しつつ……とりあえず、解毒処置をする。


 これもまた、『ネームレス』に搭載された機能の応用である。


 本来は毒薬を作る為の機能なのだが、毒も転じれば薬になるのと同じく、『ストア』にて必要な材料を瞬時に用意出来るからこその荒業であった。



 ……さて、解毒されてアルクサリアが目覚めるまで、アルクサリアと室内の状況を語ろう。



 まず、アルクサリアが軟禁(眠らされているので、軟禁も糞もないが)されている部屋は、本当にその為の部屋のようだ。


 偽装されてはいるが、四方の壁は内部が分厚い金属で補強されており、自力で壁を壊しての脱出は不可能。


 唯一の出入り口もまた、スライド式のオートロック。見た目こそリゾート惑星に合わせて華やかだが、扉の厚さは相当であり、これも自力での突破は不可能。


 部屋の広さは6㎡といった感じで、天井も高い。


 眠らされているからもあるが、室内にはベッド以外何も置かれていない。そして、そのベッドの中央にアルクサリアは裸のまま仰向けにされている。


 そう、裸だ。下着はおろか、身体を隠せるシーツすらベッドには無い。マットレスの上で、無造作に寝息を立てている。



 目が覚めて自殺される可能性を警戒してのことなのだろう。



 なにせ、義母や叔父たちが求めているのは、アルクサリアからもたらされる無実の証明だ。少なくとも、ソレが成されるまでは絶対に死なせるわけにはいかない。


 というより、ある意味で一番叔父たちが恐れているのは、アルクサリアが目覚めてそのまま自殺することだろう。



 最終的にそうする予定とはいえ、ソレを今やられるのはマズイ。


 なにせ、アルクサリアの父が各所に叔父たちの事を伝えたらしいのだ。



 最後の決め手となるアルクサリアの記憶にて無実を証明しなければ、遅かれ早かれ調査が成されてしまう。


 現時点ですら、他の王族たちがどこまで調べているのかが分からないのだ。


 疑いを残したまま、しかも、この地で死んだり、行方不明になったりすれば、結果は考えるまでもないだろう。


 だからこそ、叔父たちは自殺可能な道具を完全に撤去し、それこそシーツすらも排除して自殺の可能性を僅かでも減らしたい。


 加えて、他の王族から不審に思われないよう、下手に拘束して怪我をされても……といった思惑の結果が、コレなのだろう。



(踏み込んで来られたら一発アウト。平時は防犯や客のプライバシーという理由で拒否出来ても、エルフの死者……それも、色々な意味で注目を集めていたアルクサリアが死亡したとなれば、下手に捜査を拒否するのは疑惑を深めるだけだからなあ)



 なにせ、表向きはリゾート惑星で通っている。


 プライバシー等の機密性は利用者の大半が富裕層だからという体で誤魔化せても、限度があるというものだ……っと。



「……、ここ、は?」



 億劫そうではあるが、アルクサリアは目を覚まし……ゆっくりと、身体を起こした。


 さすがは、外宇宙の科学力で作られたネームレス制の薬だ。


 通常の解毒薬なら目覚めるまで1,2時間は掛かるうえに、軽い麻痺で喋ることも難しいところでも、この身体で精製した薬ならば5分と経たずに覚醒させる事が……話を戻そう。



「起きたか、アルクサリア」

「え……え? ええ? ちょ、貴女誰で──」

「──シィ、静かに。私はセクサからの依頼でここに来た、ネームレスという名の傭兵だ」

「──っ!? ……あ、あの、セクサ様から?」

「ああ、そうだ」



 目覚めたら裸にされていて、傍には見知らぬ女が居る。男でも動揺して慌てるところだが、今は付き合っている暇はない。


 悲鳴が出ようとした唇を反射的に押さえる。抵抗しようとしたが、セクサの名前を出したら抵抗を止めた。


 それでも不信感が視線より滲み出ているが、それを気遣っている暇はない。


 なにせ、部屋の外には見張りが2人立っている。


 音は外部に漏れないよう既に対策を行っているが、人間の勘は馬鹿に出来ない。フッと思い至って室内を除きに来る可能性だってある。


 だから、彼女は事を急ごうと思っていた。


 もちろん、アルクサリアは子供ではあるが、頭の回転は速く、冷静かつ論理的に考えて動く事が出来る少女だと分かっているからこその対応でもあった。



「……そう、ですか」



 徐々に、自分の身に起こった事を思い出したのだろう。意気消沈していくのが目に見えて分かった。


 そうなるのも、無理はない。


 父親を殺されてから極度の不安の中で続けていた逃亡の日々。それがようやく終わったかと思えば、身を寄せた相手が敵だったのだ。


 それも、敵は血の繋がりのある叔父だった。他人よりも知っているからこそ、受けたショックは言葉では言い表せられないぐらいに重いのは考えるまでもない。



 ……辛い心中を思えば、このまま話を進めたいところだ。



 だが、あいにく、今の彼女は初対面……勝手に話を進めるのも変なので、あえて簡潔に経緯を語った。



 ──セクサが攻撃を受けて船を動かせなくなり、助けに行けなくなった。とりあえず、自分セクサは無事である。


 ──自分ネームレスは、セクサの依頼を受けて救出に来た。信じられない気持ちは分かるが、今だけは信じてほしい。


 ──貴女は叔父か、それに連なる誰かの手で眠らされていた。このまま此処に居るのは危険すぎるので、私の船まで来てほしい。



 そう、彼女が告げれば、アルクサリアは一つ、二つ、三つと、覚悟を決めるかのように頷くと……目尻の涙を拭い、サッとベッドから降りた。


「よろしくお願いします」


 そうして、頭を下げたアルクサリアを見て、彼女はやるせなさを胸中に抑えつつ……改めて、アルクサリアの裸体を見やった。



「その、着替えなのだが」

「わ、分かって──」

「今は、これだけで我慢してくれ。万が一を考えて、(ストア通貨をこの後使うから)節約しておきたい」

「──え? いま、どこから?」



 頭からスッポリ全身を覆い隠すタイプのローブとパンツと長靴を手渡せば、アルクサリアは困惑した様子で彼女を、室内を見回し……ハッと我に返ると、ありがとうと頭を下げて急いでそれらを着て、履いた。



「良し、それじゃあ次にコレを……こうして、私との間を繋ぐ」



 次に、彼女はアルクサリアに留め具付きのワイヤーを渡す。使い方が分からなかったようなので、くるっとワイヤーを回して……彼女と、アルクサリアとの間が繋がった。


 傍から見れば、互いの腰にワイヤーを回して繋いだ感じだろうか。ワイヤーの長さは約1mぐらいなので、それ以上は留め具を外さない限りは離れられない状態だ。



「次に、これを耳に付けろ」

「これは? ヘッドホン、ですか?」

「ノイズキャンセラーというやつだ。逃走中は銃撃戦となる。その間、とにかく爆音が鳴り響く。これを付けておかないと、鼓膜がやられる」

「……こう、ですか?」

『──そうだ、私の声は聞こえるな?』

「え!? あ、あれ?」



 言われるがままヘッドホンタイプのノイズキャンセラーを装着したアルクサリアは……驚いて周囲を見回した。


 アルクサリアがそうなるのも、無理はない。


 何故なら、彼女が渡したノイキャン(長いので略す)は値段相応の高性能。自分の声も、正常に稼働している間は聞こえない。


 なのに、彼女の声だけはハッキリとヘッドホンの中から聞こえただけでなく、通信機器を使った様子もなかった。


 いったいどうやってと、困惑するのは当然であった。



『聞こえているか? 聞こえているなら、聞こえていると返事をしてくれ』

「え、あ、は、はい、聞こえています」



 けれども、全く気にせずに話を進める彼女の様子に色々と察したのか、アルクサリアは一つ頷いただけで。



「あの、私の声は聞こえていますか? というか、ちゃんと喋れていますか? 私自身は自分では何を言っているのか全然分からないので」



 その事には触れようとはしなかった。触れない方が良いと察したのだ。


 そういう勘の良さが、ある意味アルクサリアがこれまで捕まらずに済んだ理由なのかもしれない。



『ああ、聞こえている。あまり声に出さなくていい、呟く程度でも私には聞こえている』

「あ、はい、分かりました」

『よろしい。では、これより脱出計画について説明する』



 だから、彼女もその事は持ち出さず、そのまま話を続けた。



『まず、腰に繋いだワイヤーで察していると思うが、私の背後から離れるな。何故なら、私の周囲にシールドを張るからだ。常に、ワイヤーが弛んでいられる距離を維持し続けろ』

「はい、わかりました」

『そのワイヤーの長さが、シールドの有効範囲だ。怖くて堪らないと思うし、恐ろしくて足が震えてしまうだろう……でも、足を止めるな。ワイヤーが弛んでいられる距離ならば、至近距離からのレーザーバズーカですら、かすり傷一つ付かないから』

「は、はい、わかりました」

『いいかい、これから私たちは、私の船がある外の海岸線まで歩いて向かう。どうして走らずに歩くか、分かるか?』

「え……すみません、わかりません」

『こういうことだ』



 その言葉と共に、アルクサリアに背中を見せる。直後、パシュンと空気が漏れたかと思えば、淡く輝く機械が音も無く伸びた。まるで、小さな鉄塔が幾つも突き出したかのような外観だ。


 それは、『ストア』の機能によって改良されたシールドユニットである。


 見た目から彼女を生身だと思っていたのか、ギョッと目を見開くアルクサリアを他所に……ユニットがブーンと小さな音を立てて稼働し始めた。



「……あ、温かい」

『触るなよ、軽減してはいるが、生身だと大やけどだ。ユニット部分は180℃前後になるし、それ以外の体表温度は80℃を越えてしまうのだ』

「わ、わかりました」

『だから、歩いて行く。下手に走って、私の背中にぶつかってみろ。最悪、顔の皮膚がユニットにへばり付いて、ベリッと剥がれ落ちてしまうからな』

「き、気を付けます……!」



 想像したのだろう。


 目に見えて青ざめたアルクサリアの顔に、『私も気を付ける。到着するまで熱いと思うが、我慢してくれ』彼女は……この部屋の出入り口へと向き直った。



(さて、それじゃあ……行くとするか)



 合わせて、彼女は『ストア』よりレーザーバズーカを購入すると同時に出現させ、発射口を扉へと向けた。



『アルクサリア、口を軽く開けて目を瞑り、腰の位置を軽く下げろ。指示が出たらとにかく長く大声を出せ、それから2秒後に発射する』

「は、はい──っ!」



 目視にて、アルクサリアがちゃんと指示に従っているのを確認した彼女は。



『声を出せ!』

「──ああああああ!!!!!」

『発射!』



 アルクサリアの叫び声を背中に受けながら、レーザーバズーカの引き金を引いた。



 瞬間──爆音と爆風が室内を縦横無尽に駆け巡った。



 同時に、堅牢な扉は一瞬で吹き飛び、廊下の壁へとめり込む合わせて、全てを埋め尽くす膨大な光と、鉄をも融解させる高熱が、室内を一瞬で地獄へと変える。


 いや、地獄は室内だけではない。扉の外、両隣で立っていた見張りたちもまた、悲惨であった。


 不幸中の幸いなのが、二人とも即死かつ背後からの一撃であったため、二人とも死を自覚しないまま死んだのが……まあ、アレだ。



 そうなるのも、当然だ。



 なにせ、彼女がたった今使用したレーザーバズーカは生身で使うタイプの代物じゃない。本来、宇宙船などに取り付ける高出力のバズーカなのだ。


 つまり、いくら強固な造りになっているとはいえ、宇宙船に取り付けられた機関砲を至近距離から撃ち込まれたようなもの。


 生身で直撃していたら、一瞬で跡形もなく蒸発するレベルだ。そんな威力を想定した防火扉なんぞ、最高機密の軍艦ぐらいなものである。



 ──なんだ今の音は!? 


 ──侵入者か!? 


 ──異常発生! 直ちに現場へ急行せよ! 



 遠くより聞こえてくる、怒声が滲み出ている喧騒。これまた当然ながら、そんなものを室内で使用したら、とてつもない大騒ぎになる。


 衝撃と音は壁や床を伝って周囲に広がり、爆発が起こったということをこれでもか知らしめてしまうからだ。



『よし、もう声を止めて目を開けろ』

「は、はい……っ!?」



 シールドとノイキャンで守られていたからこそ分かっていなかった眼前の光景を見て、アルクサリアは絶句した。


 けれども、それだけであった。


 様々な感情によって足が震えても、その場から動けなくなる様子は見られず……涙を堪えて歯を食いしばりつつも、前を見据えているのを見て、彼女は一つ頷いた。



『……あまり他所は見るな。とにかく、私にぶつからないよう、私の背中だけを見ていろ』

「……は、はい」

『いいね、私の背中だけを見るんだ。まっすぐ、私の背中だけを……私が振り返っても、とにかく前だけを見続けろ』

「は、い……わかりました」



 そう、そうなのだ。


 地獄は、これから始まる。



(……頼むぞ。どうか、誰も抵抗してくれるなよ)



 だからこそ、彼女は……『ストア』にて重さ120kg近いガトリングガンを二つ構えると、それを通路の向こうより近づいて来る集団へ向かって。



『では、行くぞ。しっかり付いて来るのだ』



 固く重い引き金を……確かに、引いたのであった。



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