都市の摩擦熱——近代と前近代がもたらすもの
はじめに
2022年の夏、私は京都から大阪の泉北ニュータウンまで通う日々を送っていた。午前6時に起床し、朝食をとり、メールを確認して大阪へ向かう。泉北に到着するのはいつの間にか9時頃だ。用事が終わるのは18時ごろで、そこから京都に戻ると20時を超える。すでに9月11日に音源のリリースが控えていた自分はその準備にも明け暮れ、あっという間の夏だった。とはいえ、2時間超もの時間をかけて向かう土地の風景はやはり新鮮で、ニュータウンの区画整備されたその風景は、以前に何度か行った千里のそれと比べてもまた異なったものだった。区画整備のもとで網の目状に都市が構築された和泉中央の駅前は地図上では京都の碁盤の目のように見えつつも、大規模な公共・商業施設がブロックごとに配置されているその様子はまさに意図して作られたものであることを象徴している。歴史的蓄積の結果として発生した京都という都市に比べ、「街びらき」という行為によって突発的に都市が作られたこのニュータウンの光景は、いささか奇妙な表現かもしれないがまるで「人工的」に作られた景観に見えて、とても面白いものがある。
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