第24話 事件の顚末
不健康きわまる探偵児嶋は今日も不眠にやつれたゲサゲサの頬を冷水でピシャッと洗い、パンを焼きコーヒーを飲みとりあえずデスクにヨロヨロ座ったが何日も寝ていないので目の焦点が合わず、またまた羊水に浸るかの如くにバンシー幻想に浸る.....
バンシーの叫び声は、とにかくかわいい。聴く人によっては恐ろしい。二つに別れるということは、この世の人間も二つに分類できるということだ(だからなんなんだ?バンシーの愛らしさの前ではそんなことどうでもいい)。
そんな奴が森の沼に棲んでいる。一回は役所の人間に沼に毒を撒かれ殺されかけたが、じつはチビだった探偵児嶋の暗躍によりバンシーは助かったのだ。子どもで勇気あふれる奴だった児嶋は虫の知らせで家からバンシーの沼まで行き、呼びかける。ヨオヨオ、バンシー。ザバァァァァァァ、バンシーイズル!!!バンシー、俺の肩に乗るんだ。さあこんな森も街も出よう・・・・・
日中の論理的思考能力をとにかく邪魔するバンシー。難題は先送りされ、事件は解決せず、いっそ探偵を廃業すれば全てが解決するとも言えなくもない。そもそもバンシーなんてのはいるのかさえ怪しすぎる。俺は疲れている・・・疲れた・・・ところで依頼された事件というのはこうだった。正直言うと俺は仕事の話はしたくないタチなんで・・・
児嶋は疲れた。今日も仕事は休もう。とにかく調子悪い。愛人の京子に会いに行く。ヒシと抱きしめ、それから京子の好きなくすぐりを俺はやるのですぞ(探偵も探偵らしくないことをふだんはする)。
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