第3話 ジョイスへの道

 

 みなさんはジェイムズ・ジョイスという小説家をご存知だろうか。知らなくても結構、普通にたぶんみんな知らないから。僕はしばらく、彼の小説『 ユリシーズ』ばっかり読んでます。『ユリシーズ』がどんな小説かと言うと、アイルランドの、スティーブン・ディーダラスって人とレオポルド・ブルームって人とモリー・ブルームって人の、主にこの三人の"一日の"話です。しかししかし、ユリシーズってのは20世紀モダニズム小説の金字塔とか言われているし、たしかにやたら読み難い。昔、24って海外ドラマがあったけど、一日の話しってことでユリシーズからは影響を受けてるのだろうか?


 アイルランドにはキリスト教以前の太古からの宗教があって、ドルイドというのがあります。ドルイドの僧たちは、頭に深々と黒くて長いフードを被っていて、そのフードはお母さんの胎盤だとか、あるいはペニス(小さい男の子)を護るコンドームのような役割をしていて、とにかくその保護機能が真実の霊性への目覚めだとか言われてるらしいですが、それ以上のことは僕はすごぉぉぉく気になるけど


よくわかりません。


 ジョイスって人は晩年まで精力を傾けた小説にフィネガンズ・ウェイクってのもあるんですが、ユリシーズよりさらに訳がわからない小説です。ジョイスはこの小説で世界中の言語を混ぜ合わせゴッチャにして、自分にしか意味の通じない"ジョイス語"というのを作ってしまいましたが、ちょっと引用するとこんな感じ 



あそこはなんとも暑かったが、ここの雰囲気の殺寒さ!彼女が何虚に住むかは霧知だが、まさかアンナのを鬼火提灯持ちしちゃあ! 蝋燭明かり乏された一月と一つの風窓の家。ぱたぱた、高く低くぱたぱた。数えてみると二十奇。それにもっともな天候!



 ちなみにジョイスはフィネガンズ・ウェイクを執筆中に、夢の中にドルイドが出てきていっしょに話したらしい。ああいつかアイルランド行きたいなぁ。目下自分の心は常にアイルランドにあり。

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