一瞬の人生

森の中で目が覚めた。


周りには木がたくさん連なっていた。


でも、夜なのか辺りは暗かった。


そして誰もいなかった。


孤独で寂しさを感じ、木の根元の方でうずくまっていたら、仲間と思えるのが見えた。

相手も仲間を探しており、自分がいることを表した。


するとすぐに近寄ってきて、体と体がぶつかりあった。


ただ、木にぶつかるよりも温かみを感じ、なにより安心した。


嬉しくなり、つい空中で回転してしまった。


その後は行く宛先も分からないことから、今夜は一緒に寝た。


体と体を寄せあい、近くにいることをお互いに証明しあった。


さっきまでとは違い、寂しさではなく安心感がありぐっすりと眠れた。




翌朝、辺りはすっかり暖かな日差しに包まれていた。


自分はもう少し寝ていたいと思っていたが、どうしても行きたいとうるさかったので、ついていくことにした。


葉の隙間から光が漏れ出ていた。


空は快晴で、散歩にはもってこいの天気だった。


しばらく歩いていると、仲間と思わしき集団があった。


みんな、各々の生活をしていて、楽しそうに走ったりリラックスしていた。


そんな光景を木の間から見ていると、ここまで導いてくれたあいつが広場の真ん中へ走っていった。


すると、みんながこっちを見てきた。


そしてだんだんとこちらへと向かってきた。


その時、本能でなのか逃げたいと思っていた。


おそらくなにかひどいことをされるんじゃないかと思っていたのからかも。


でも、実際は違った。


むしろ歓迎された。


みんなが笑顔で歓迎してくれた。


そんな光景に思わず自分も笑みを浮かべた。


誰がどう見ても幸せの絶頂だった。


でも、そんな幸せも唐突に壊れるものだった。


森の奥から、誰かが来ていた。


みんな、自分と同じ仲間だと思って近くまで寄っていった。


自分も仲間だと思っていた。


だが、そんなやわな希望も砕け散った。


仲間の一人が近づいた途端、体がボロボロに砕け散った。


他の仲間も動揺していたが、すぐには動けずに、命が散った。


そしてどんどんと虐殺を繰り返していった。


ザク、ザク、と音を立てながら命が犠牲に。


そしてとうとう、自分と、夜を共にした仲間だけになってしまった。


相手がこちらに近づいてきた。


恐怖で身動き一つすらとれなかった。


目の前には相手が。


手を上にあげ、こちらに振りかざしてきた。


ああ、死ぬんだな、と思っていたその瞬間。


仲間がかばって、目の前で体が破裂していった。


そんな命も虚しく、こんな自分に払っていい勇気ではなかった、と言いつけてやった。


そんな声も相手には届かなかった。


もう一度、こちらに振りかざしてきて






ザクッ…パッカーン





「隊長さん、こちらにいるセルリアンは全部仕留めました!」


「ありがとう、ドール!戻ってきていいよ!」


「はい!」


隊長の元へ駆けていくその足元には、サンドスターの塊が転がっていた。

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