策略
策略
ソアラを外へと連れ出したローゼルは、ホセのことで寂寥感を覚えていた。
昔馴染みに、色事裏切られたこと。
それは彼自身、嘆息を隠し切れない。
確かにジニアは、ソアラとは違う色気たっぷりの魅力はあった。
だがそれだけしか、自分は感じられなったのに。
微かでもガラスの薔薇が疼いたのならば。
それなりの魅力があるのは確かで、それは自分以外、美貌以外にも他の異性にも作用するのか。
それともホセがのぼせあがっただけなのか。
隣にいる愛おしいソアラの身が、無性に心配になってきた。
果敢にも自分を守ろうとしたソアラ。
まだ幼いが、ソアラは美しく、成長を重ねるとどうなることやら。
今回の策略で一人にしたこと。
次回はもう少し熟慮の上、きちんと守らなければ。
ソアラは、自分の大切な片割れ。
誰にも触れさせたくはない。
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