メリハリ

メリハリ



じゃれあうように、ソアラと毎日を過ごす時間。


ローゼルにとって、何よりも特別で宝物だった。


ソアラは、乳母のマギーのように損得なしで、媚びることなく無邪気に懐いてくれる。


彼女のてらいのない笑顔。


煌びやかでも 魑魅魍魎渦巻く社交界で過ごすしかない現状。


ソアラは、純粋無垢で、何よりも好ましく感じられる。


ソアラとの毎日かわす口づけは甘美。


彼自身女性としても感じている。


まだ十四歳で幼く子供であり、まるで妹か娘のように見えなくはない。


それゆえに、今は自分を抑制出来る。


朝の情事は、ローゼルがどう見ても男慣れしてないソアラを徐々に慣らしていこうと考え故の行為だった。


相変わらずソアラは、口づけの後は我に返り、真っ赤になって文句を垂れてくる。


ローゼルにとって、そんなソアラの仕草一つ一つが、初々しく思えている。


おかげで早朝の会議に遅れることが、しばしばあり、仕事虫のローゼルらしくはない現状が続いていた。


それはそれで、今まであった疲労感はソアラにより癒されていて、生活にもメリハリが出てよかったかも。


そんなことを考えてしまうローゼルは、ソアラのことになるとほくそ笑むことが度々あった。

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