第9話 横浜での心太さんと涼子さんの結婚式
3月中旬の土曜
横浜での心太さんと涼子さんの結婚式
私と化け物は招待されて出席しているが、化け物が10分ほど遅刻
しかも本妻ではなく、妾の美香さん
14時に披露宴も終わり、ホテルに泊まり組の私達はロビーでコーヒーを頂く
二次会参加組の心太さん達も7海苔仲間と共に合流してきた
7海苔達が集まってゴソゴソの密談
「奥様が買って、旦那に乗せてるらしい 奥様がすげぇわ」
「涼子さんより上だわ 惚れた男”に”バーキン7 そしてナビに座る」
「そうだよな 惚れた男”が”バーキン7はあっても ”に”はない」
7海苔の彼女さんや奥様達も たか子さんを朱鷺を見る目で見ている
「オープン海苔の奥は深い 私も頑張らないと
涼子さんや 諸先輩方に ついていきます」たか子さんが言っていると
「いやいや、私達は諦めの境地でナビに 進んで地獄に行った訳ではないのよ」
女性陣が答えてる
「それでも7のナビに座る女 地獄を潜り抜けてこの場におられます
涼子さんには本当に深い教えを頂いています」たか子さん
「たか子さん 気合充分じゃん 良平さんも頑張らないと」化け物が言うと
7海苔達が 一斉に 「そうです 頑張って下さい」と言ってくる
「あのような究極のオープンは私ごときでは、昨日の朝からの移動
名古屋横浜間の移動で休憩も多く一日掛かりました」とこぼすと
「7が究極じゃないよ 落ちる心配がない」化け物
「それと良平さん あの車で長距離 オープンホイールだし
防風のレーシングスーツにフルフェイスのヘルメット 似合うんだよ
二人の分を俺の車に積んできたから、帰りはそれ着て帰って味噌」
「はい?」
「それと下着も たか子さんのパンツとブラは無いけど
ガチ冬用を持ってきた クロロファイバーの厚めのアンダーに
冬場の耐久用 耐火のミッド 夏も冬も ウエアを選ぶのは大事だよ」
「たしかに大事、それを揃えれれば一番」ケータハムのケント
なにか、また次元の違う話をされている
「おっさん専務 どうしても お訊きしたく」涼子さんが割って入ってくる
「怖いな なに」
「バイクに乗ってみえたとの噂は聞いていますが、オープンはフェアレディですか」
物凄く真剣な目の涼子さん
「どう考えてもオープンの経験がないと出てこない思考が極普通にに出てくる
国産しか乗ったことがない と合わせると フェアレディ しかない」涼子さん
「あるよ 2車種はあるでしょ それの大きい方」
考え込む涼子さん
「幌なしで前も倒してさ ドアは紐
流石10代の俺 1年は乗れたよ あれに比べたらバーキン7は天国だよ
ケータハムもバーキンもよく壊れるから、丈夫が取り柄な車だけどね
ひろ子さんに、土下座してさ お願いしたけど「妾と行きなさい」と怒られて
8時過ぎに名古屋を出てさ 乗ってきたけどチョット辛かった
やっぱ排ガスや埃で汚れてさ、風呂に入って、頭から全部洗って
着替えてたら遅刻 良かったよ 前泊分で部屋を予約しといて」
爆笑する化け物
「バーキン7が天国???」「風呂??」と一斉に?マークが飛び交う
「オープン海苔の結婚式だ 良平さんもバーキン7で頑張った
俺も昔乗ってたオープンじゃないとな
見に行こうか、昔の仲間に借りて乗ってきた」先導し始める化け物
7の群れのド真ん中の駐車場に停めてある
1台の車 幌もなければ前も倒れてるしドアは紐
「18の頃 ある寺の和尚がさ J53を買ったはいいが 幌がついて無くてさ
庫裏さんに そんな雨の日に乗れない車を買って とメチャ怒られて
庫裏さんにバレ無いように隠し持ちたいと 考えたのが 俺に押し付ける」
左手でその車をポンポンする
「オープンって J53 それも幌なし!!!」叫ぶ心太さん
「俺んトコに持ってきてさ 1年でいい 預かってくれって
普段は俺の車 天気のいい日にクラウンで来て
J53のフェリーは俺の役目で 和尚はクラウンで追走 目的地で交代
朝は晴れでも目的地で雨もあるし 雪もある 交代なしもあったな」
爆笑する化け物
そして私とたか子さんに
「これに、メットとかスーツとか入ってる どうぞ」
バックを渡してくる
二人で有り難く受け取る
「その和尚は 馬鹿なのか賢いのか バカで賢いんだろうな」とバーキン7の黄色
「どう良平さんも一回究極へ
たか子さんもさ 口説きに行った女とのドライブでは100%
10分で降りられてビンタ喰らったから 浮気の心配なしだよ」と爆笑してる
「それは、この状態のJ53のナビに乗る女 軍人しか居ない」呆れ返る涼子さん
「すいません、10代でギリナビに乗れる車です」と美香さんが爆弾を投げるが
J53が強すぎて、たか子さん達女性陣もスルーしていく
「この車で横浜に行こう ひろ子さんが蹴るわけです」たか子さん
ロビーに戻り受け取ったバッグの中身を皆で見てみると
「まさしくガチの装備」と7海苔達
化け物は部屋にバックを取りに行き戻ってくると中身を探りながら、爆笑して
「これこれ 和尚がさ 交代も出来ずに 写真だけ撮影したのを持ってきた」
と写真の入ったアルバムを出す化け物
春 雨のしだれ桜を背にカッパを着たおっさんとJ53
夏 波打ち際の砂浜で足元が濡れてるおっさんとJ53
秋 雨の紅葉の山でカッパを着たおっさんとJ53 しかも河川の水の中
冬 思いっきり雪積もった高山陣屋前でおっさんとJ53
どれもコレも幌もなければFrウインドは倒しっぱ、ドアは紐
同じ構図で和尚のも並ぶ が秋のは別の場所
そして 和尚は 雨の日のは傘をさしてる
心太さんと7海苔仲間達も見て「これは 確かに究極」と呆れ返る
「良平さんが 化け物 と影で言うけどまさしくだ
J53の幌なしが初めての車で 18から1年間の普段乗り
スタート地点が違う 化け物としか言いようがない
あの下呂での舞 舞いたくなった言葉の重み そう言うことか」
「普段は舞わない心太くんが 舞った言葉の重み」と心太さんと涼子さん
「車 見たけど幌を積んでなかった マジで名古屋からあの状態」バーキン7の緑
「あの状態だと、高速だとヒーターすら禄に効かないハズ
服装は どのようなので来られたのですか」と尋ねるケータハムTCのサイクル
「あれにレーシングスーツは似合わないし
この格好の上にヘリハンのオイルスキン」
と答えるポロシャツの上に赤のジップジャケットにチノパンの二人組
さっきウエアが大事とか言っておきながら自分達はそれかよ と思う廻りの一同
「それは無理 しかも前も倒してる カッコいいが見る車だ」ケータハムTC
「これは 私でも無理 たか子さん、これだけは止めなさいね」涼子さん
「これに比べれば バーキン7が普通車に見える」と皆は爆笑してくる
「そりゃ、あの車 油断してると 車から落ちかけるからな
しかも耐雨のシートが滑るし、3点のシートベルト ガチャガチャ止まるぞ
無理なコーナリングとかギャップで跳ね上げらると車から落ちかける
掴まれるトコすらロクにない
シートとベルトだけ見ても7が普通車に見えるだろ」
との化け物の爆笑に 7海苔達の群れもつられて爆笑してるが顔が引きつってる
「あの状態のJ53に比べれば 7は天国だわ ヒーターは効くし
体の半分以上は車体の中で風は当たらない
良平さん 安心して普通車のバーキン7に乗れるね」と皆が他人事で言ってくる
7海苔達が最強のオープン海苔の称号を一斉に返上していく
「称号の返上もしましたし、バスに乗って中華街の散策へ
ただし、買食いは一人500円まで 2次会の夕食が待ってます」ケータハムTC
「よっしゃ、美香ちゃん 行こうか 初中華街だろ 楽しもう」
「はい 頑張ってオープンで来ましたし ご褒美 行きましょう」
私の目眩などまるで関係なく 二次会が始まっていく
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10代の頃 借りて乗ってた J53 の話になりました
ホント 幌を外したら 戻せなくなり
邪魔なんでと作者に貸してくれた
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