第3話 招待状〜二人きりのナイトデート〜

その後


私はまるで日記みたいに


自分の正直な想いを


素直に沢山綴った手紙を送っていた


隠す事なく本心を書いて…………





手紙に託す自分の想い


呼んでもらえなくても


この想いを伝えられるだけで


何処かスッキリする自分がいる


本人を前にしては言えないから


こういう時


メッセージを伝えられるのは


便利だよね……?





それから数か月――――


私は相変わらず度々、手紙を出していた。





そんなある日の事―――――




「ただいま」



学校から帰宅する私。



「おかえり。愛華、ある方から必ず今日中にあなたに直接渡すように頼まれたんだけど…」


「えっ!?今日中に!?」



渡されたのは招待状だ。




「そう。時間厳守でお願いします。って言われて時間になったら、家にお迎えにあがるって」


「何、それ!気持ち悪いんだけど…私1人なの?」


「そうみたい」



「………………」



「なんかサプライズ的な事みたいで、御本人には何も言わないでって口止めされてて…」


「えっ!?ママ、信用してるの?訳の分からない相手に大事な娘を渡すって…」



「もちろん一回、断ったわよ?でも、どうしてもって言われたし、誘って下さった相手もお忙しいみたいで、直談されたのに断るなんて……」


「…直談?」


「そうよ。正に本当のサプライズ!私も驚いちゃった」




「…………………」



「とにかく、そういう事だから。格好は動きやすい格好でお願いしますって」




「…………………」





そして―――



夕方、迎えが来た。


男の人だ。




「…あの…本当に…?私、信頼してるわけじゃないんですけど!」


「無理もないと思いますが、お相手様からのご要望なので……」




「………………」




そして車を走らせ、向かった先は遊園地だった。




「遊園地…?もう既に閉園……」





薄暗い遊園地。


昼間とは打って変わってシーンとしている。




「………………」




次の瞬間―――――




パッと突然、電気が点灯し、園内が明るくなった。




「…………………」



「えっ…?」





グイッ


私の手を掴む人影。



「お待ちしてました。右木愛華さん」



ドキーーン


私の前に現れたのは――――




「えっ…?嘘……朋也……?」


笑顔で迎える彼の姿。



「2度目だね?君と、こうして会うの」

「あの……どうし……」


「俺がやりたいと思った事。それは君も同じ気持ちだと思うから…」




ドキン…



「君からのファンレターは、いつも目を通していたんだ。俺の事が好きで、大ファンで……あの時の言葉が凄く印象強くて…もう一度、俺が君に逢いたいと思ったから」



「…朋也…」


「デートしよう!愛華!」





ドキン






貸し切りの遊園地


貸し切りデート



現実には


存在しないって


思っていた……




でも 今こうして


朋也と


芸能人である彼と


デートしている



夢みたいな


幻みたいな




だけど・・・




あなたは 今


私の目の前にいる



今日1日だけの


シンデレラ



叶わない恋だから


今日1日だけの


私の王子様




なんて……




夢なら覚めないで……






















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