第10話 風邪か……。
「へっくちん……へっくちん……」
木舞部長が部室でティッシュがお友達でいる。
「木舞部長、風邪ですか?」
「あぁ、季節の変わり目だからな」
わたしは付けているマスクを二重にする。
『こーふー』
「お姉ちゃん、どうしたの?対生物化学兵器対応の恰好で!」
『こーふー』
ダメだ、通じない、ここはホワイトボードで会話だ。
『マスクを二重にしただけだ』
わたしはホワイトボードにカキカキしてコミュニケーションをする。
「お姉ちゃん、芸風がどうみても、つば九郎だよ」
仕方がない、マスクを一枚脱ぐか。
わたしは渋々、防護服を脱ぐ。
「お、風邪用マスクか?」
ガリ〇リ君を食べながら正美さんが現れて、軽く声をかけてくる。
うむ、正美さんは分かっている、この防護服形状のマスクは有効な証拠だ。
「そうだな、いといにうつすと五月蠅いから早退するわ」
木舞部長は帰りの支度を始めて、そそくさと帰ってしまう。
「悪は滅した、これからは防護服なしの生活が待っている」
「お姉ちゃん、今日はお姉ちゃんがボケなのは分かっているけど、政治犯になって公開処刑にならないでね」
おおう。公開処刑か……、確かに嫌だな。
ここは、表現を変えて。
「わたし達は分かり合えたのだ。高度な防護服が要らない未来が訪れたのだ」
「流石、お姉ちゃん」
「うむ、政治犯で公開処刑は嫌だからな」
うん?ずずずずず。
「へっくしょん、へっくしょん……」
風邪でもひいたか……。
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