第9話 Kポップと夏目漱石どちらが詳しい

 緊急会議である。

 そう、地区大会が迫ってきているのだ。

 各部員の力量をはかろうと、マトを置き、矢を放ってみる。

 あーそれなりの点数であった。

 地区大会なので出るのは自由であった。

「ここで、チート能力でしょ」

 木舞部長が楽観的に言う。

 この手のギャク小説は時に凄い力を発することがある。

 そんな理由で緊急会議は終了するのであった。

 それから、わたしはテーブルに向かい。

 自作小説を書き始める。

 題名は『虞美人草』である。

「ほ、ほ、う、夏目漱石ですか?」

 正美さんが近寄って来る。

「頭が良さげなタイトルでしょ」

 わたしの同意に正美さんはぐっとマークをする。

 そう、ただ、響きが良いから虞美人草と付けたのだ。

 さて、内容は夏目漱石が猫を飼い始めるところからスタートしてと。

 要は夏目漱石の吾輩は猫であるも虞美人草も読ますに書いているのだ。

『吾輩は猫である、キャットフードはカリカリである……』

 ま、こんなものだろう。

 書き終わると。

 木舞部長もノートパソコンを持ち込んでカタカタしている。

「木舞部長は何を書いているのですか?」

「あぁ、オシのKポップのファンレターだ」

『Kポップ』か……古いのか新しいのか分からない。

 とかくこの手のモノは詳しくない。

 まだ、夏目漱石の生涯の方が詳しい。

 さて、天候も良いし昼寝でもするか。



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