第5話 予備領域
ここは某県某区の
お隣さんとは、ぽんぽんと、持ちつ持たれつみたいな感覚で大地を分け合っているよーなそんな感じ。そこにハムスターの
でも、ローンは残っていないらしいのよ? パパがあたし達が生まれる前に建てたらしいから。
それでもけっこーな値段だったんじゃないかな? ママはそこら辺のところ全然教えてはくれない。第一、パパが何をしていたのかも教えて
うーん? けっこー謎めいた家族なのかもしれないわ! で……!
「ちょっとー!
「あんたを中心にして事態を調査していかなあかんしな。家の中で
……それはちょっと問題があるんじゃない? おっとガスの
しょうがないか! 晩御飯でリベンジということで!
「やっぱりマズイんじゃないかな? 仮にも神様なわけでしょ? 第一その姿じゃ
ふう、心配してもどーにもなりやしない。
玄関を開け鍵をポケットから取り出す
やれやれともう一度溜息を吐きながら。
鍵を閉めたことをしっかり確かめてから振り向くと、丁度あたしの目線の先にタブリスの目と鼻があった。
……ん? あたしと目線が合うとにっこりと可愛らしく小首を
え? 何だか腹が立つ程可愛らしいわ! そんな
「う、浮いてるじゃない!?」
見れば、愛くるしくまとまった靴の裏と地面の間には多分、目に見えない空気の
たまにそよぐ風が、その間を行ったり来たり。
そ、それって空中浮遊!? 怪しいわ! 怪しすぎる!? 絶対変な団体に教祖様として連れて行かれちゃうわ! それで神様とか呼ばれちゃって、
……訂正……ホンモノだったわね……。
「心配せんでええ。データの流れが違う場所に立っているだけのことや」
「データの流れ?」
「そうや、
……
「そもそも、あんた達の存在もみんなある言語から
えー!? これマト○ックスかなんかのパクリだったの! あたし、そんな
さらっと世界の真実とか語らないでよね!!
「学校で習ったやろ? 人間のカラダはたんぱく質とか水とかで出来てますーって? 同じことや。世界そのものがデータで出来とるんやさかい、作りもんとか
にわかには信じがたいけれど? あたし達の存在ってマ○オとかル○ージとかと同じなわけ?
「でも、さっきバグとかってあり得ないって言ってたじゃない? それって、つまりバグじゃないの?」
今やもう
神様の情報処理
「全生命の存在と運命を司るのは全く別のもんでな。役割分担と考えて
あー、あれやっぱりパソコンなんだ……神様もパソコン使うんだ……。
「そっちの方に不具合が起こったりすることはせん。中心はぶれたりせえへんってことで」
会話をしながらずーっと玄関の前にいた訳じゃないのよ? その道中にも、多分そーなんじゃないかなーって少しは思ったんだけれど、肩で呼吸をひとしきり付いてからその疑問をお約束のよーに聞いてみた。
「つまり、浮いてるとこも見えてないのね?」
「別の
「世界っちゅーのは
そう告げるタブリスの顔はやっぱり
それは
だからって、あたしは
なりたいものになれなくったって、多少の夢が壊れたって。
そうよ、あたしはあたしだもの。
それ以外のものになんて、なりたくってなれないし!
バス停の時刻表を確かめると? あと10分かぁ……もうみんな、実は帰宅の
「そう言えば、あたしの運命って今のところその管理から
ふと気になって聞いてみる。だとすると、あたしの存在なんて消えて無くなってるんじゃない? 文章が消えてしまった小説の主人公なんて、
「それが
バタフライ効果ならぬ、よそ見運転
ちょっぴりの馬鹿は死ぬ気でやらなきゃ直らないって? ……ええ今考えましたとも。
それからひとしきり、
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