嘘つきはドロボウのはじまり……ドロボウなら嘘をつくのは当たり前

第5話・【墓場まで持っていくつもりだった……クソ親父の秘密】

 誹謗中傷は事実で無いことを流布した時に生じる、本当のコトを書くのは『虚偽告訴等罪』にあたらない……かも知れない?


 これは本当の出来事、クソ親父は二度ほど盗みで警察の世話になって二回とも、私が警察に引き取りに行っている。


 一回目は『万引き』チラッと見えた調書には「お金を払いたくなかっから」と書かれていた……情け無かった。


 二回目に警察に引き取りに行った時は、他人の畑から農作物を盗んだ『野菜ドロボウ』また、引き取りの署名をして警察署を出る時に、たまたま警察署のドアが片方壊れていて開かなかった。


 普通反省している人間なら、引き取りにきた者より先に外に出るコトはないだろう……だが、クソ親父は平然と私より先に警察署を出た。

 それを見た瞬間。

(あぁ、こいつまた盗みで警察署の厄介になるな)と、思った。

 その根拠は、連れ帰る帰りの自動車の中で。

 自分の盗みを正当化するような発言……意味不明の「母親には数ヶ月、口外するなよ」の言葉を聞いて。

 帰宅して即、母親に告げた。クソ親父が野菜を盗んだコトを。


 母親には一回目の時に、警察に引き取りに行ったコトは告げてあったから母親のショックは、それほど大きくなかったはずだ──父親はドロボウ、ウソつきはドロボウのはじまり。ドロボウだからウソをつくのは当たり前。

 ドロボウの言葉は誰も信じない、いずれは家族の誰もクソ親父〔ワタル〕を信じなくなった。

 自分の父親がドロボウだったと認識した子供の心境は、クソ親父にはわからない。


【もしかして、三回目もクソ親父やっている?】

 ある日の朝──弟が怒りながら、クソ親父の部屋に怒鳴り込んでいった。

 弟はクソ親父に「いい加減にしろ!」と、怒鳴って何か会話をして去って行った。

 話しの内容はわからなかったが、弟が去った後にクソ親父がポツリと。

「しょうがねぇじゃねぇか」そう呟く声が聞こえた。


「いい加減にしろ!」

「しょうがねぇじゃねぇか」

 この二つの言葉から推測した仮定。

(もしかして、三回目の警察にお世話になって、お袋が警察署に迎えに行った? それか、弟の嫁さんを家政婦代わりにして食事のオカズを作るコトを要求した?)


 憶測に過ぎないが、どちらにしても十分あり得ると思った。クソ親父は〝食べ物に意地汚いドロボウ〟だから……後にこのコトが新たな軋轢あつれきを生むことに繋がっていく。


 ちなみに、クソ親父を実名でネット検索すれば、顔写真とプロフィールがヒットする。

 以前のスポーツ指導員として登録したモノが今も残っていて。少し前は小中学校に出向いて何か教えていたらしい。

 盗みの性癖を隠した外面男が、いったい何を子供に教えていたのやら。


★ドロボウの辞書に『反省しているフリをする』という言葉はあっても。

深く『本当に反省する』と、いう言葉はない。

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