Chapter.8 未遂
程なくしてそんな私にも彼氏が出来る。彼氏とのデートや交わした言葉、そう言ったものを書き記した。この時ばかりは幸せだった。当然私の生い立ちなんか話出来なかったし自傷行為の事も言えなかったけど嬉しかった事などを全て書いた日記帳は母に見つからない様にベットのマットレスの下に隠した。
そして初体験も彼とした。人生で初めて愛というものに触れ幸せでいっぱいだった。家に帰れば辛い現実が待っていても耐えられる気がしていた。実際自傷行為もとても減っていた。
母に見つかると面倒なのでいつものように家に途中まで彼に送ってもらい家に入る。今日は二日酔いの日だといいな。そんな事を思いながら家の扉を開けると鬼の形相をした酔った母が立っていて私の頬を殴った。
『この売女!!!!!お前みたいな公衆便所死んじまえ!!!!』
当然彼氏ができた話なんて母にしていなかったから彼氏と帰ってきてるのが見られたのかなと察した。どうしよう、話すべきなんだろうかそんな事を悩んだいたら母が私に投げつけた。
ビリビリにされたマットレスの下に隠しておいた日記を。
『このアバズレ!!!!!今すぐ電話して別れろ!!!!』
そういって私の髪の毛を鷲掴み電話口まで引きずる。
え、何で?何で日記がバレた?
絶対確実に毎日隠しておいたはずなのに何故?
どう考えても母が探し出して見つけたに違いない。マットレスなんて干さないしそもそも家事なんてまともにしないんだから。
でも受け入れたくない。母親がこんなにも気持ちが悪いヤツだなんて。
『早く電話しろテメェ!!!!ホラァ!!!!!』
『…です』
『あぁ?!』
『全部、私の妄想です。』
『だよなぁ?お前みたいな気持ち悪りぃデブスに彼氏なんかできるわけねぇよな?!妄想?!お前ほんっとうに気持ち悪りぃなぁ!!』
その後結局電話されてしまい彼とは別れることになってしまった。父親も娘の初体験を知り腹が立ったのか自室から一切出てこず、助けてくれなかった。この時も血が出るまで殴られた。その夜中左腕をズタズタにし自殺を図り家中の風邪薬などの薬を飲み干した。
明日どうか、目が覚めませんように
本当にこれで死ねますように。
目がグルングルン回って座っていられなくなった。
体が鉛のように重たい。自由が効かない。
死ぬのは怖い。
でも、もう生きていたくない。
さようなら、皆。
と目を閉じたが無情にも死ぬことは叶わず
翌朝地獄の様な頭痛と吐き気で目を覚ましてしまった。
そう、私はまたしても死ぬ事ができなかったのだ。
発狂した。何で何で何で?
だがどうも身体がいう事を聞かない。鉛の様に重たいのだ。
起き上がるのに精一杯だった。この日は幸運な事に母が二日酔いの日だった為に一日横になっていられたが本当に辛かった。
けど次はもっと飲まなくちゃ死ねない…そんな気持ちに支配されていた。
辛さよりも死ぬことへの希望がうんと高かったのだ。
そして月曜日から幸せだったあの帰り道はない。
きっと嫌われてしまっただろう。小学校が3つ合わさった中学校だった為
私のいた小学校では母は有名だったが彼はその事を知らなかった。
思えば思うほど、考えれば考える程死にたくなった。
今夜死にたい所だが家中の薬は昨夜全部飲み干してしまった。
一日中 泣いて暮らした悲しい思い出だ。
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