第45話 隈
俺は目の下の隈がひどい。昔無理していたせいだ。
君と話しているときもこの隈のせいで君を怯えさせている。君に笑って欲しいのに。
いろいろと治療することにした。血行を良くしたり病院に通ったり。
そしてようやく隈が取れた。これで楽しく君と話せると思った。
だけど君は俺のことを一瞬誰だと戸惑った。君にとって俺のイメージはこの隈だったのだ。
そんなことはないのかもしれない。だけど君が気づかなかったことは確かだった。
しばらく寝れない夜が続いた。すぐにまた隈ができていた。
君はまた戻っちゃったんですかと尋ねてくる。今度は俺だとすぐに気づいてくれた。
君にとって俺はやっぱり隈なんだろうか。自分を変えたら告白できると思うのは浅はかだった。
君は最近、彼氏ができたとはしゃいでいる。無意味な治療の時間がやけに恨めしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます