第45話 隈

俺は目の下の隈がひどい。昔無理していたせいだ。


君と話しているときもこの隈のせいで君を怯えさせている。君に笑って欲しいのに。


いろいろと治療することにした。血行を良くしたり病院に通ったり。


そしてようやく隈が取れた。これで楽しく君と話せると思った。


だけど君は俺のことを一瞬誰だと戸惑った。君にとって俺のイメージはこの隈だったのだ。


そんなことはないのかもしれない。だけど君が気づかなかったことは確かだった。


しばらく寝れない夜が続いた。すぐにまた隈ができていた。


君はまた戻っちゃったんですかと尋ねてくる。今度は俺だとすぐに気づいてくれた。


君にとって俺はやっぱり隈なんだろうか。自分を変えたら告白できると思うのは浅はかだった。


君は最近、彼氏ができたとはしゃいでいる。無意味な治療の時間がやけに恨めしかった。

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