第43話 快晴

君とさよならをした日は雲ひとつない快晴だった。俺の心はこんなに澱んでいるのに。


互いに都合が合わなくて、結局何もせずに別れた。失ったのに実感さえない。


さよならをすれば何か変わるかと思った。だけど寂しさすらないのが嫌だった。


ただ言いようのない気持ち悪さだけがあって。それが君のせいとも思えなかった。


悪いのはきっと俺なんだろう。ただ環境や状況のせいなのも確かだった。


なんだってこんな空なんだ。何にもなくて、空っぽで……。


ああ、なんだ。俺と同じか。


君はこんな気持ちじゃなければいいが。でも俺を忘れて欲しくないと思うのはわがままだろうか。


飛行機雲がさらに伸びていく。まるで引っ掻き傷のようだった。


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