第43話 快晴
君とさよならをした日は雲ひとつない快晴だった。俺の心はこんなに澱んでいるのに。
互いに都合が合わなくて、結局何もせずに別れた。失ったのに実感さえない。
さよならをすれば何か変わるかと思った。だけど寂しさすらないのが嫌だった。
ただ言いようのない気持ち悪さだけがあって。それが君のせいとも思えなかった。
悪いのはきっと俺なんだろう。ただ環境や状況のせいなのも確かだった。
なんだってこんな空なんだ。何にもなくて、空っぽで……。
ああ、なんだ。俺と同じか。
君はこんな気持ちじゃなければいいが。でも俺を忘れて欲しくないと思うのはわがままだろうか。
飛行機雲がさらに伸びていく。まるで引っ掻き傷のようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます