第41話 傷のない痛み

君と俺は親友だった。互いに軽口を言い合える仲でずっと馬鹿話をし合えるくらいで。


君に好きだと伝えたい。だけどそれを伝えてしまったら、俺たちの関係が変わってしまいそうで。


伝えないまま君は他の人と付き合い始めてしまった。それはやっぱり俺とは真逆のタイプで。


どうせ振られるだろうから伝えなくてよかったじゃないか。そう思えばいいはずなのに。


想いを伝えなかったことに後悔している自分がいる。傷つかなかったはずなのに。


無いはずの傷口が痛み出す。好きだとは、もう君に伝えられなかった。

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