第8話 バーべQ

今日は遠くの海に潜ろうと思う。


「リーフィア、海行こう」

「うん」


役場を通り、橋を渡った。


「どこまで行く?」

「すこし遠くの海に潜ってみたくて」

「そうか」

「違う魚が取れるかもしれないでしょ」

「そうだな」


しばらく行くとルナチにあった。


「こんにちは、ルナチ」

「しおりさん、こんにちは。どちらに行くんですか?」

「もうすこし向こうの海に潜りに行くんです」

「そうですか、お気をつけて」

「はい」


岩場をみつけた。


「リーフィア、この辺にしよう」

「うん」


腰に網を巻いた。

泳ぎながら貝や魚を入れられるように、昨日作ったんです。

上出来。


「じゃあ、リーフィアいってくるね」

「うん、ぼくも水で遊んでる」

「わかった」


わたしは、海に潜った。

海の中は綺麗だった。

水は透き通っていて、いろんな魚が泳いでいる。

青に緑、エメラルドグリーンって感じかな~

とにかく、素敵だ。

時間を忘れてずっと潜ってしまう。


貝や魚、わかめがとれた。

これだけとれたからもどろうかな。


ぷはっ!


海から顔をだすと、リーフィアは水際で遊んでいた。

楽しそうだ。


「リーフィア~」

「あ~しおり~」


わたしは陸にあがった。


「リーフィア見て~こんなにとったよ」

「わぁ! すごい」

「帰って食べよう」

「わ~い」


ジリジリ……。


なに?

また?

頭痛い!


最近、この頭痛が頻繁に起きるようになった。


「しおり! どうした? 大丈夫か?」

「リー……フィ……アッ」


わたしは、倒れてしまった。


すると、ぼんやりなにかが見えた。


なに?

ここどこ?

なんか見えにくい。


ベッド?

点滴?

病院?

だれかが、病院のベッドで寝ているようだ。

だれ?

ぼんやりしていてはっきりみえない。


ジリジリ……。


頭痛い!


しばらくすると、はっきり見え始めた。

ベッドで寝ているのは、わたし?


ジリジリ……。


目が覚めた。


「しおり、大丈夫か?」


ん?

リーフィア?


「リーフィア!」


わたしはリーフィアの手を握った。


「なんだ、どうした?」


今のはなに?


「わたし、今までどうしてたの?」

「しおり、海からでてきて倒れたんだ」

「うん、そこまで覚えてる」

「急いでケンチ―を呼んで家まで運んでもらったんだ」

「そうなんだ」

「薬ものませたぞ」

「ありがとうリーフィア」

「元気になってよかったー」


なんだったんだ。

さっきのは、夢だったのか?

でも、病院だった。

しかも、寝ていたのはわたしだった。

どういうこと?

わたしは、死んでない?

魂がさまよっているってこと?

そんなことある?


まあ、あまり気にしないようにしていた。


――――


何日かたった。


「リーフィア、今日はこの島の人をさそってバーべQでもしようか」

「いいね」

「じゃあ、ぼくがみんなをさそってくるよ」

「そう? じゃあ、わたしは砂浜で準備をしてるよ」

「うん」


わたしはさっそく、砂浜で準備を始めた。

バーべQセットはこの間パイン商店で売っていたので買ったのだ。

お野菜はとれたてやさいだ。

魚は……今から釣る。

ついでにサザエも潜ってとってこよっと。


海に潜った。

サザエあった。

やったね。

5個くらいとればいいだろう。


ぷはっ!


海から顔をだした。


「しおり!」


リーフィアがもどっていた。


「リーフィア!」


わたしは陸に戻った。


「リーフィアどうだった?」

「みんな来るって」

「そう、よかった~」


わたしはとってきたサザエをみせた。


「みて、リーフィア」

「わぁ~すごい」

「これを焼こう」

「うん、いいね」

「魚も釣るね」

「うん」


わたしは、岩場から釣りをした。


「しおり、なにか釣れた?」

「うん、アジ2匹とすずき2匹釣れたよ」

「すごいな~」

「もう少し釣るか」


遠くからだれかが呼んでいる声がした。


ん?


「しおり~」


どこから?

海から声が聞こえる?

ん?


「ミーリ!」


海からだった。

ミーリはようやくウエットスーツを買ったようだ。


「お~い!」


ミーリは陸に上がってきた。


「ミーリさん」

「しおり、みて」


ミーリはとってきた貝をみせた。

結構いっぱい入っていた。


「すごい!」

「みんなで食べようと思って」

「ありがとう」


ミーリはパイプいすに座った。

外用に砂浜においてあるのだ。


「こんにちは」


ルナチがやってきた。


「こんにちは、ルナチ」

「これもってきました」


ルナチはトウモロコシを差し出した。


「わぁ! おいしそうなトウモロコシ」

「はい、みなさんで食べましょう」


「遅くなってごめんよ」


ブルーシーがやってきた。


「あとでこれで遊ぼう」


ブルーシーはビーチボールをもってきた。

ブルーシーらしい。


「焼けたよ~さあ、食べよう」

「うん」


もぐ……っ……もぐ。


「ん~美味しい~」

「サザエもおいしい」

「トウモロコシもおいしい」


焼きトウモロコシなんて、お祭りでしか食べたことないよ。

うまい!


「あ~お中いっぱいだー」

「じゃあ、食べたら運動だ」

「でたー」


わたしたちはみんなでビーチバレーをしてあそんだ。

わたしとルナチVSミーリとブルーシーで戦った。


「よし、いくよ~そ~れ~」


わたしのサーブから始まった。

レシーブはブルーシー。

トスはミーリでスパイクはブルーシー。

いい連携だ。

強い。

こっちも負けていられない。

わたしがスパイクで決めた。


「ん~悔しい~」


ブルーシーが悔しがっている。

そんな戦いが続き、勝負は引き分けで終わった。

めっちゃ、楽しかった。


「また、勝負の続きをしような」


ブルーシーがいってきた。


「そうだね、またやろう」


片づけをして帰った。


「リーフィア、今日はたのしかったね」

「うん、楽しかった」


こんな楽しい生活がずっと続けばいいのにと思い始めていた。

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