第7話 一匹狼
俺は花柳院、もう直ぐで2年生になるところを意味のわからん病気に妨げられて、
早くも6月、人生一度で最後の高校2年生を謳歌できずに17歳を迎えようとしてる。
そんでもって、数えるくらいしかいない学校の生き残りで唯一の最年少。
良いように使われてるわけじゃないけど、同い年の生き残りもいないから、
ただ気を使う毎日に正直うんざりしてる。
俺の両親は、早くに事故で死んだ。
祖母に育てられてることになってるけど、
国外にいる期間の方が長過ぎて、実質一人暮らし。
生活資金は、祖母に頼らずとも両親の遺産で十分にやってける。
こんなことになってから、初めはみんな家族のことを心配して、家に帰りたがっていた。1月の校内での籠城戦の末、生き残ったわずかな者たちは、集団で各家に家族の安否を確認しに行った。俺は、一人でいるのは得策ではないと思ったから、単純にみんなにお供してたって訳よ。
結局、さんざんリスクを背負って学校の外に繰り出してみたけど、家族と巡り合えた奴は、一人もいなかった。そんでもって道中、仲間の1人が噛み殺されて死んだ。てか、奴らの仲間入りした。泣きそうなのもいたけど、俺は友達じゃなかったから涙なんて出る気配すらしなかった。まあ、グロテスクだったけどな、その光景は。
だんだん学校の食料も無くなって来て、
一番近い商店街に物資をあさりに行くことになったんけど、
やっぱり拠点を持ってないとだめね、明確にさ。
あてもなく物資をあさって、生活を続ける。
みんなどんどん生気を失ってさ。
まあ、そんなときにあの優秀な姉弟が提案して来たわけね。
学校を明確に拠点として生活の土台を築いていくべきって。
いや流石だなって思ったよ。
現役でさらっと有名大学に合格しちゃうだけあるなってさ、思ったよ。
リーダーシップと学と協調性がバランスよくある、いや〜憧れちゃうな。
その内国家を新設しそうだよな笑。
わりかしまじでさ。
そして今、3-Bにみんなが集結してる訳だけど、
あの注射器、打つのはやっぱり俺でしょ。
花柳院「はい、俺が、立候補します。適任でしょ?」
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