第4話 状況把握

一瞬の出来事すぎて、訳もわからず校舎裏の倉庫の中に逃げ込んだ。

航平「剛、あれ、あれ、現実だよな!?」

剛「・・・」

剛も目にした光景が信じられないのか、言葉を発せていない。

航平「もしもだぞ、もしもあれが現実なら、本当にえらいことだ。早くここじゃない別の安全な場所を見つけて避難しないと」

剛「ここは、安全じゃない。早く避難場所を見つけないと」

航平「だよな、そうだよな」

剛「ここは、めちゃめちゃよくない場所だ。外で待ち伏せされたら逃げきれない」

航平「た、確かに。場所を変えよう。でも目的地を決めてからだ」

剛「家に戻って大人の力を借りる」

航平「名案だ、剛の家の方がここから近いからそっちに先行こう。その後、俺の家にも立ち寄ってくれないか?心強いんだが」

剛の一家は、代々柔術を教えることを生業にしてるから、こういう状況では、間違いなく頼りになる。

剛「わかった。そうしよう」


校門近くまで来た時だった。

前方からさっきまで意識が飛んでた女の子がふらふらとこっちに向かってくる。

航平「ん、あの娘さっき自分の血が止まらなくてやばかった娘だよな」

剛「ああ、間違いない」

その娘はまっすぐこちらに向かって歩いてくるが、すでに血は止まっているようだ。が、目が尋常でないくらい真っ赤だ。白目が赤いのでそう見えている。

航平「剛、これさ」

剛「ああ、距離を一定に保っていた方がいいだ」

航平「そうだよね〜」

そろりそろりと俺たちは後退りを始めた。

その娘と一定の間隔を常に保つ。

次第に選択肢が出てきた。

このままさっきの食堂方向に進むか、校舎の中へと続く入り口を選ぶかだ。

航平「剛、校舎の中、取り敢えず行くか?」

剛「賛成だ。さっきの食堂付近は、あれがいる可能性が高いだろ」

航平「だよな」

俺たちは焦らず校舎側へと進行方向を調整した。

校舎の自動ドアが開く。

落ち着いて入場。その娘も入場...

航平「このまままっすぐ階段の方向へ」

剛「おう」

航平「もしかしたら階段でつまずいてくれるかもな、なんつって」

剛「この後、行くあてはあるのか?」

航平「んー、どうすっかな」

剛「2階に到着したら、ぐるっと回ってもう一つの訪問者専用玄関からさっきの校門へ戻って脱出しよう」

航平「剛、お前頭いいな、最高だよ」

剛「おう」

航平「おうって、謙遜ゼロですか笑」

ちょうどその時、その娘が階段に接した。

ゴクリ(唾を飲み込む俺)


結果は、、期待外れだった。

そのままさらりと階段を登ってくる

航平「階段は、、普通に登れちゃうんやね笑」

剛「そのようだ」

航平「よし、2階に到着だ。作戦通り回り込むか。」

剛「おう」

階段を上り切り、校舎の回り込みを始めようとした時、廊下の最果てに、俺たちは人影を見た。

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