第2話 嵐の前の静けさ
明梨「今日の朝は、なんて素敵なお空なの」
明梨の母「朝食の支度できたわよ」
明梨「はーい、今行く〜」
急な階段をこけない様に気をつけながらも駆け足で降りる。
明梨「んー!トーストのいい香り〜」
明梨の母「はい、バターここに置くわよ」
明梨「ありがとーおかーさん」
明梨の母「勉強も順調で、恋も順調だったりするのかしら笑?」
明梨「何言うの、お母さん、間も無くで受験勉強が本格的に始まるのにそんな余裕は私には、ございませぬw」
明梨の母「それもそうね、大学生になってからのお楽しみね」
明梨「いつもおいしい料理でサポートしてくれてありがとね!」
明梨の母「母として当然よ」
朝食後の歯磨きと時短メイク完了!
朝食後の身支度をしながらジャスティンのLOVE YOURSELFを聴くのが至福の時間。
明梨「行ってきまーす」
明梨の母「行ってらっしゃい、車に気をつけるのよー」
明梨「はーい」
YouTubemusicで今月ベストヒットの洋楽を再生!
さ、楽しい自転車通勤の時間。
この10分が最高!
基本下り道の通学路、あっという間に学校に到着した明梨は、
明らかに体調の悪そうな女子高生を駐輪場越しに校門に見た。
明梨が駐輪を終えて校門をくぐってもまだ通路をゆらゆらと進む後ろ姿が見えた。
一瞬大丈夫かと声を掛けようと思ったが、朝のホームルーム開始5分前を告げるチャイムが鳴った。
明梨「えっ、意外にギリギリ!」
体調の悪そうなその子とは別の入り口からショートカットして2-Aの教室へ駆け足で向かうのだった。
愛美「おっ、ギリギリセーフ」
明梨「セーフ!おはよ!」
愛美「おはよ!」
愛美は、明梨のベストフレンドでとにかく明るい。
明るい私だけど、時々ネガティブが出ちゃうとこをいつも助けてくれるメンター的な存在でもある。
愛美「昨日の面談どうだった?」
明梨「特に問題ナッシング!」
愛美「そっか〜、私今日なんだよね〜、直帰したい笑」
明梨「そんなこと言って愛美だって勉強調子いいじゃん、さくっと終わるよさくっと」
愛美「それはあながち間違いではなーい笑。でも順番が最後なの」
明梨「それは最悪ね、1時間は自習室コース」
愛美「明梨は直帰?」
明梨「今日は、家近にある塾に体験コース受けに行く予定」
愛美「私も塾考えないとな〜」
愛美とお喋りしている内に、ホームルームが終わった。
朝から2時間連続で英語、それが金曜日。
愛美「それじゃあお昼休み食堂でね!」
明梨「いつもの席でね!」
英語が得意な愛美は、Sクラスに教室を移動する。
英語は中の上な私は、Aクラス、つまりここ、教室の移動なしだ。
紗耶香「金曜日は朝から二連ちゃんの英語だから、せっかくの金曜日の嬉しさが朝起きてから半減なのよね」
明梨「あっ、紗耶香おはよう!それ、間違いないね笑」
紗耶香は、私のクラスのお隣の友達。一言で言うとクールビューティ系な女の子。得意なタイプじゃないけど、悪い子じゃない笑。
登先生「さあ、朝から二連ちゃんの英語の授業、張り切ってくぞ〜笑」
一同ブーイング、最高にノリのいい生徒とわんぱく薄毛教師笑。
明梨「おっ、1限目は構文一本か、これは好き」
大好きな英語構文の受業が終わった。
登先生「さあ、10分休憩の後は、英単語のおさらいするからな〜」
そう言うと登先生は、職員室に一時退却。
最近ハマっておるジョージョアのカフェラテボトルを片手に窓から校庭を眺めつつ、片手でスマホをスクロール。
そんな時、ふと視界に気になるものが入り、スマホから窓の外の光景に目をやる。
明梨「あれって確か今朝の体調めちゃくちゃ悪そうだった子?」
今朝見かけた女の子らしき子が不自然な歩き方でその前方をゆるりと歩く男子生徒の方へ向かっている。
早苗「あっかり〜、ヤッホ、な〜に朝から黄昏っちゃってんの〜笑」
明梨「わ〜、危ないこぼすところだった〜笑」
早苗「おっとっと、ごめんごめん笑」
早苗は、私の仲良し友達の一人。愛美程じゃないけどよくつるむ。
早苗は学級委員長で学年で一番頭の良い女子。ただ、愛美と馬が合わないので、
何かの拍子で三人が一緒になるといつも気まずい思いをしてる笑。
少々強引なリーダーシップを兼ね備えているが、将来社会で大きく飛躍しそうなのが、今からでも感じ取れる。
早苗は、私にちょっかいがてら挨拶をするとSクラスの教室へと戻って行った。
その後自然に2限目が始まり、そして終わった。
食堂の方角から美味しそうな唐揚げを揚げる香りが漂ってきた。
今日のランチは、油淋鶏の唐揚げ丼にしようとステップしながら食堂に向かい始めた時だった。
これまでの人生で聞いたこともない悲鳴を耳にした。
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