第5話 テスト勉強

「あーテスト週間が始まってテストがあることを意識しちゃったよ……」


 そんなことを言う正面にいる男子は佐名木陸斗。高校に入ってからできた男友達だ。最近は男子とあまり話せなかったんだよな。ある人たちが原因で……。


「そんなにテスト憂鬱か?」

「そりゃそうだよ!」


 わからない俺がおかしいのだろうか? そんなに憂鬱でないけどな。


「ちなみにお前、どのくらい勉強できるんだ……?」

「普通ぐらいじゃね? まだテスト受けたことないから、わかんないからな」

「普通ぐらいでいいから、俺に勉強教えてくれ! 特に英語!」


 そんなに切羽詰まった様子で言うなよ。まだ時間あるじゃねえか。


「まあ別にいいけどさ」

「やったぜ! ちなみになんか英語の資格持ってる?」

「うーん一応実用的英語技術検定1級を持ってはいるけど……」

「普通か……?」

「普通じゃないのか?」

「いや、なんでもない」


 さっきからどうしたんだろうか? まあいいか。


「いつ頃がいいか?」

「うーん今日にでも教えてくれ!」

「じゃあどこでやる?」

「まあ無難にルタバでいいんじゃね?」

「そうするか」


 ◇


 放課後、俺たちはルタバに集まっていた。

「この英文はこう言う文法だから、ここをこうする」

「なるほど」

「そして――」


 そんな風にして英語の勉強をした。


「ありがとないろいろ教えてくれて!」

「まあ困った時はお互い様だからな。……でも俺まだ困ってないや」

「まあ、お前が困った時があったら俺が助けてやるよ」

「きゃあ、カッコいいー」

「棒読みやめろ」


 そんなやりとりをした後、家に帰った。


 家につきプラセカをやっていると、スマホが振動した。どうやら通知が来たようだ。なんだと思いみてみると……


「あれ、桐乃さんからだ」


 送られてきた文章を見た。中には「遊びに行きませんか?」書かれてあった。その瞬間思ったことがある。

 (今テスト週間だよな……?)

 とりあえず思ったことを送ってみることにした。そしたら既読がついた後、電話がかかってきた。


『もしもし?』

「もしもし」

『ごめんねいきなりこんなこと言い出しちゃって〜』

「まあそれはいいけど、桐乃さんは勉強しなくていいのか?」

『ベンキョウ……?』

「知らない単語を聞いたみたいな反応するな。絶対知ってるだろ」

『私、若干諦めてるので』

「諦めんなよ」


 ある人っぽく言ってみる。

 

『…………』


 なんか滑ってね?

 

「じゃあ、そう言うことで――」

『待って!』

「?」

『勉強教えてください!』


 なんかさっき見たぞ。この流れ。


「大丈夫、you can do it」

『I can’t do itだよ!』

「そう言われましても……」

『他の人にも教えたんでしょ!』

「え、なんでそれを」

『ほらやっぱり』

「あ、カマかけたな!」

『引っかかる方が悪い!』

「ったく、仕方ない。別にいいよ」

『最初からそう言えばいいのに―』

「なんか桐乃にはこう言うノリになるな……」

『じゃ、明日今送った住所に来てね!』

「いや俺の意見――」プツ


 電話切りやがった。こうなったら仕方ない。明日は特に用事もないし、勉強教えるかぁ」

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