第3話 本音を伝える

 考えることもなく、直ぐにその言葉を俺は発していた。らしくないことしたかもしれないけど、これだけは言わなきゃなと思ったしな。そんな俺の大きい声を聞いた水島さんは目をパチッと開き驚いていた。


「あ…ごめん。つい声を張り上げちゃって……。俺が言っても正直なんにもないかもと思うけど、一つ言っておくね――」


 そして直ぐに言葉を紡ぐ。


「俺は水島さんのこと純粋にと思うよ」


「え…?」


「少し訊きたいんだけど、学級委員になったのはなんで?」


 俺はその質問をした。いきなりで少し困惑している。けれど直ぐに真っ直ぐとこちらを見据えて堂々と言った。


「少しでも皆さんの役に立ちたかったからです。それと統率したり、注意を呼びかけるなどの学校をよくするためのことに直結する行動をしたかったらです」

「ほら、その時点で水島さんは凄いじゃん」

「どこがですか……?」

「だって一部の人に嫌われているのを理解していながらも、自分がやりたいことをしたんでしょ?」


「普通はそんなことできないよ。俺だったらその状況で正直学級委員とかになりたくないもん。めんどくさいことになっちゃうと思うし」

「……っ」

「それができる水島さんは凄いよ。だからそんなやつのこと気にしなくていい。クラスにも水島さんの味方はいると思うし――」


 桜や光野さんだって味方になってくれるはずだ。桜はこういうの嫌いそうだしな……。それに――


「例え水島さんが一部に嫌われていたとしても、俺もよ。なんとか守れるように頑張る。……て言ったってやっぱり俺の力じゃどうしようもないと思うけどね……。それでも頑張るよ」


 彼女は目に少量の雫を垂らし、俺にいう。


「っ……ありがとうございます!」


 そんな彼女をみて俺は安堵した。


 …………ていうか今思うと俺めっちゃ小っ恥ずかしいこと言ったわ! やっべ水島さんに顔向けられない……。


 少し落ち着いてのか、彼女は頬を若干紅色に染めながら俺の方を向いた。


「あ、あの言葉って……」


 そう言ったのを聞き、すぐさま思い出して否定しようと言葉を発する。


「あ、あれには、別に特に深い意味はないから……」

「……そ、そうですか」


 一瞬悲しそうな表情をしていたような気がした。


 視聴覚室につき、荷物を置いて戻った。自分たちの荷物を取りに行こうと、二人廊下を歩いている。……気まずい。また行く時のように気まずい空気が漂っていた。今回は俺から声をかけることにした。


「水島さん、また困ったことがあったらいつでも呼んでいいからね。先生にも言われてるし……」

「はいっ!」


 和やかな空気になり、これで話すのは終わりかと思ったら……。


「……あ、あの桃華って呼んでくれませんか?」

「へ?」

「折角交流も深まったことですし、互いに名前で呼び合おうかと……」

「わ、分かったよ。よろしくね、も、桃華さん」

「呼び捨てで、呼んでいいですよ?」

「えーっと……」


 流石にそれは、少し恥ずかしいというか……。


「呼んでくれないんですか?」


 それはずるくないか?


「分かったよ……。桃華」

「っ! はい。颯太くん!」


 そんなこんなで名前で呼び合うことになりました。…………俺、明日男子に□されないかなぁ。


 ――――


 短くてごめんなさい!!

 文章量は少なくなると思いますが、なんとか更新頑張りたいと思います……。

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