第11話 竜の逆襲(後編)
『ここが、ラファダール国か。随分腐った国の貴族の頂点がお前らか?』
「何だ、その言い草は!姿を見せ次第即刻死刑だからな!」
「そうだそうだ!僕達は誉れ高い王族の一員なんだぞ!お前なんて、簡単にやっつけれるんだからな!」
『ならば、姿を見せよう。窓を見るがいい』
「窓だぁ?随分舐めた口を聞く……な……」
「ち、父上、あ、ああれって、ドラゴン……?」
『そうだ。我はエンペラードラゴンのルジェだ』
「「エ、エンペラードラゴン?!」」
『我が妻が祖国が危ないからこの国を何とかしてくれって頼まれたから更生させようと思ったが……、想像以上に腐っていたようだな』
「あの……、どういう事でしょうか?私共はあなた様の奥様を知りませんので、教えて頂けると助かるのですが……」
ルジェは、相手をビビらせるために、威圧感のあるオーラを出した。すると、ラファダール国の王族達は揃いも揃って情けない声を出した。
『我の妻か?先程貴様らが話題に出していたフルールが我が妻だが?』
「えっ……。あ、あの者は未婚では……?」
『あの、者?』
「あ、あの方は未婚なのではないでしょうか!」
『ふむ。どうやらお主らの記憶は国を出てからで止まっているようだな。国を出た後、我とフルールは、番になったのだ。……それを踏まえた上で、先程の発言の意図を聞きたいが、どういう意味で言ったのだ?』
「いや、それは、その……」
『ほう。答えられぬと申すか。まあ、理由を話そうが話すまいがどうでも良い。どうせ、この国はなくなるからな』
「な、なぜ……?」
『ドラゴンの怒りに触れた国は滅ぶ……。この国は我の怒りに触れた。つまり、この国に未来はない』
「そ、そんな……」
『では……』
ルジェはそういった後、ラファダール国を滅ぼそうと口から炎を吐いた。すると、ラファダール国の貴族の家は次々と燃えた。燃えていないのは、王城だけだが、それも時間の問題だろう。
「あ、あ、あ……」
王子はこの世の終わりを全て悟った。しかし、国王はこの逆境でも諦めていなかった。
「ルジェ様!私はあなた様を知りません!今度我が家でパーティーをするのはいかがでしょうか?」
『……』
「私の英才教育では、ドラゴンはパーティーをするのが大層好きだと学びました。そのため、我が家でパーティーをして、親睦を深めるのはありかと思われます!」
『……』
「そのため、私のパーティーに参加していただけると……」
『黙れ』
「ヒィッ」
『お主、我を舐めておるのか?我を憤慨させておいて、社交の場に行き親睦を深める?お主が我の立場ならば、絶対に行く事はないと思うのだが?』
「そ、それは、その……」
『もう言い訳は飽き飽きだ。ここも燃やす』
「待っ!待ってください!」
『無理な望みだな』
そう言って、ルジェは王城を燃やした。そして、王城全てに火がまわったことを確認し、ルジェは帰路に着いた。しかし、ルジェは知らなかった。貴族を1人逃がしていたのだ。
「エンペラードラゴンのルジェか……覚えてろよ……。俺はまた戻ってくるからな……」
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