第2話 生贄からお姫様へ
『我は、ドラゴンだぞ?好きという感情を持つには不可思議な存在だ』
「それでも、お側にいたいです!お願いします!フルールをお嫁にもらってください!」
正直困った。必死の訴えだっただろうが、我は人間の通貨は(生贄の少女が送られまくって)持ち合わせていない。だから、買い物に行く時は、『竜の街』に行く事になるだろう。
そうすると、留守番をしてもらう事になる。その時に危険な事があったら、帰るのが遅い。
気になる所はそれくらいだったな。後は、何とかなる。しかし、『竜の街』だけは、竜しか入れないので、留守番をお願いするしかない。
しかし、メリットもある。それは、生贄の少女が送られる理由が無くなるからだ。妻がいるのに、少女をわざわざ送るほど人間だって馬鹿ではない。
その点が解消されるなら、かなり良い話に思えてきたぞ?実際にうんざりしていたし。
留守番だって、我の住処結界張っておったし。住処をでなければ、安全だった。あれ?じゃあ、我フルールの申し出受ける以外ないな。
「ジャスター様?」
『分かった。フルール、そなたを妻として迎えよう。ただし、1つ約束をしてくれ 。危険な事だけはしないように』
「……!ありがとうございます!ジャスター様」
『それと、
「はいっ!ルジェ様」
こうして、我はフルールと夫婦になった。翌日、人間の街に『妻ができたからこれ以上生贄を送らないでほしい』という旨を書いた書物を、人間の街に張った。これで、生贄を送るのをやめてくれたら良いのだがな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます