(職員室にて4)行間パート
「生徒と交際中の教師が五人、そのうち既に手を出してるのが二人。職場内恋愛が三組、そのうち不倫カップルが二組。その二組とも校内でのエッチな行為有り」
ゆっくりと顔を振って全員の顔を見回し、その後、改めて再確認する。
「まず口づけが駄目で不倫がオッケーって何ですか?
生徒に手を出すのは生徒以前に未成年なのでアウトですよ?青少年健全育成条例って知ってますか?知らないなら教師失格ですからすぐさま免許返納して教師やめてください。学校内は日本国外でも治外法権でもないですからね。
あと、隠れても駄目なんですから校内でのエッチな行為は先生といえども駄目でしょう?」
僕の言葉に誰もが何も言わない。仕方がないので話を続ける。
まあ、知り合いのマスコミさんから教えてもらった情報を話しているだけなんだけどね。
「そんな恋愛沙汰や犯罪行為に対して倫理観の緩い環境で、僕達だけが責められるのがお門違いだと言ってるだけですよ?
最低限、いじめ問題はきちんと処理しないと全員の首が飛んでもおかしくないですからね。脅しでは無くて事実として言っておきますよ」
可哀想だけど最後に一言だけ広瀬先生に言わなくちゃいけなかった。
「広瀬先生。いない事になってる今の彼氏さん、妻子持ちだから騙されてますよ。なるべく早く別れる事をお勧めします」
「えっ?」
広瀬先生が青白い顔色のままこちらを向いた。目は完全に死んでいた。
「時任先生は既婚者で子供もいますよ。学校にも隠しているけど」
「貴様!適当な事を言うと許さんぞ!」
「そうですか?清美さんにも同じ事言えますか?士郎君にも、あずみちゃんにも?」
「なっ、な、な!」
時任先生が絶句して固まった。
どうしてみんな同じ反応しかしないのだろう?しらばっくれて逆上して、バレたら絶句。アホなのかな?
まあ、横領とか、不倫とか、未成年に手を出す人種が本気で人生を考えているとも思えないから、似たような馬鹿しかいないのかもしれない。
「じゃあ、反省文四枚書いて持ってきます!それでどうでしょうか?まあ、この案が受け入れられても受け入れられなくても皆さんの処分の手は緩まないんですけどね」
素直に僕達二人を解放しなかった自分達の見通しの甘さを恨むしかないよね。
「流石だよ、琢磨。どうやら誰も異論、反論もないようだね。さあ帰ろうか!」
職員室に響の明るい声がこだました。いつどこで聞いてもいい声だ。
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