第一局8巡目◉読みの竹田
8巡目
◉読みの竹田
「リーチ」
打⑨
竹田アンナ手牌
二三八八⑦⑧233445西西 ドラは3
高め高めと引けばタンヤオも付くのでここから切る牌は
カオリの捨て牌には④③が4巡目5巡目と並んでいた。そして西家のユウは2巡目に西切り。
アンナの選択
打八
立会人のスグルはそれを見ていてこっそり耳打ちする。
(あのさ、竹田さんは役は全部知ってるのかな?)
(あ、タンヤオのことですか?大丈夫ですよ。知っててコレ切りなんです。あとで理由は言いますね)
スグルには意図が分からなかった。西はあとで安全牌として落とすことを考えてるのだろうか?でもこれは勝負手だからオリや迂回を考えた打ち方をするのはどうなんだ?そう思ったが…。
そこでカオリからリーチが飛んでくる。と同時にアンナもテンパイ。
「私もリーチです!」
リーチ合戦となりカオリは少し気まずそうにする。そしてツモ⑨。宣言牌を被らせてしまう。
その時カオリの顔が少し曇る。
「ツモ!」
アンナの一発ツモだ。
二三⑥⑦⑧233445西西 四ツモ
「メンピン一発ツモドラドラ…裏1。3000.6000!」
「さっきのことだけど、やっぱりほらココは西落としとけば倍満になってたんじゃないの?」とスグルは言う。しかし。
「それはどうでしょうか。カオリ先輩の待ちってなんでした?」
「う、西よ」
そう言い手牌を開けるとカオリはチートイツの西単騎だった。
「というわけです」
「えっ、マジかよ…つまりカオリちゃんの④③リャンメンターツの序盤外しからチートイツの狙いを予測し、であるなら西家のユウが2巡目に捨てた西は待ちごろの牌として持ってるかもと考えてその牌が無いという情報を封印した…結果カオリちゃんは無い待ちでリーチしてしまい逆を残せば一発ツモだった手を空振り、そしてこっちが一発ツモした。そういうことかよ。」
竹田アンナは伊達にテーブルゲーム研究部などに入っていないという超一流プレーを見せつけた。
「ま、実際に西待ちだったのは偶然ですけどね。うまくいきましたー♪」
読みの手練れ竹田
その力はいとこの竹田シンイチ譲りのものだった。アンナのいとこもまた勝負師なのである。その能力は財前姉妹へと部活を通して受け継がれていくのだが、それはまだ先の話。
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