この世界は大きく分ければ大抵ふたつ

 この世界の全ては大きく分ければ大抵たいていふたつのものに分別けられる。


――男と女、大人と子供、良い人と悪い人、体育系と文化系、積極的と消極的、敵と味方、身内と他人、知っているものと知らないもの、自分自身とそれ以外。


 この世の中、そんな簡単に分別けられるものばかりではない、といった意見もあるだろう。

 確かに一理いちりある話だ。

 しかし、落ち着いて考えてもらいたい。

 今そういう意見をべた人間だって、それを落ち着いて考えている自分だって、必ず何かしらにはぞくしているだろう。


――結果、この世界の人間は、自身が何かしらに属していなければ安心できないし、この世の中で暮らしていくことができない思考の持ち主なのだ。


 それでいいのだろう。

 それで日々、安寧あんねい平穏へいおんを感じながら、穏やかに人生を生きていけるのならば、それ以上を望むこともないだろう。

 この世の中、いな、異世界だって、どんな人間もどんな種族しゅぞくであっても、生きていれば誰しもが何かしらに分別カテゴライズされているもの。

 そしてその時、自身が属している場所や時間、土地や空間、名前や名誉めいよ、そして生活と日常を守るために日々、なにかと戦いながら暮らしている。

 そのなにかは時間かもしれないし、苦労かもしれないし、欲望かもしれないし、目の前の敵かもしれないし、過去の自分かもしれない。


 つまりは、この世界の全ては大きく分ければ大抵、ふたつのもののどちらかに必ず分別けられているということだ。


――男と女、大人と子供、良い人と悪い人、体育系と文化系、積極的と消極的、敵と味方、身内と他人、知っているものと知らないもの、自分自身とそれ以外。


 攻めと守り、受けと攻め、そしてこの剣と魔法の世界では……


――戦士Soldierと魔導師Magicianは、今日も世界平和のため働いている。





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