第19話 最早俺を止められる存在などいないだろう。


「風のように走るんだ!ヒルダ!」

「は、はい!ご主人様!」


手で叩いてやると本当に加速するヒルダ。

相変わらず凄い。


こいつの前世は馬か何かだったのだろうか。


「そのまま走ったら今日はローソクでいじめてやるぞ」

「が、頑張ります!」


余り何も話さずに王国の入り口に辿り着いた。

そこからは普通にヒルダから降りて歩いていく。


普通の人は人に乗らないからだ。


「くぅん……もっと乗って欲しかったです」


犬みたいな声を出すヒルダを立たすとそのまま歩いていく。


目指すはとりあえず冒険者ギルドだ。

さてどうやってギルマスに接触しようか。


受付嬢に声をかけてギルマスを呼んでみた。


「ギルドマスターのイグノアだ。何か用か?」


簡単に出てきてくれた。

余裕だなこれ。


「今日は綺麗な月が出るんだってさ。一緒に見に行かない?」

「今日の夜は曇りの予定だが?」


そう返される。


「一目惚れしたんだ。デートしてくれ」

「悪いが忙しいんだ。他を当たってくれ」


そう言って事務室に戻っていくイグノア。

おのれ堅物が。


デートの誘いくらい乗れよ。

俺の銃弾で蜂の巣にできれば後は余裕なのにな。


困ったものだ。

とりあえずヒルダを連れて夜になるまで待ってみることにした。


あいつも夜になれば流石に家に帰るだろ。


そして深夜。

まだ電気が付いてるギルド。


人が離れない。


「夜のクエストはうめぇよなぁ!!!」


そう言いながら冒険者達が夜の街に繰り出していく。

これから夜だけ出てくるモンスターを狩りに行くらしい


「だめだこりゃ、ヒルダに突っ込んで寝るか」


ヒルダを使う時は時魔法で毎回時間を戻している。

あいつは俺がこの魔法を手にした時からずっと処女を失い続けているのだ。

素晴らしいなこの時魔法というのは!


俺は邪悪なユニコーンなのだ。



そうして夜が明けて朝っぱからギルドに突入してみたがギルマスはずっとギルドにいるらしい。

クソブラックな職場だなギルドっていうのは。


Q.週7で働けますか?

A.ウッス


と返せるくらいの人だらけなんだろうな。

話を聞くとギルマスはこのギルドで寝泊まりしてるらしい。


お家に帰れないそうだ。

何かあった時に対応できるようにらしい。


しばらく情報を集めていると分かったことがある。

イグノアもこの場所を出るタイミングがあるらしい。


それが、ランクを上げるための試験である昇格試験の時だけはそれに付き添ってこのギルドを出ることになっているらしい。

そのタイミングだな。やれるのは、俺は受付嬢に訪ねてみた。


「次のDランク昇格試験というのはいつ出来る?」

「Dランクでしたら今日ありますが飛び込みで参加しますか?」


そう聞かれたので頷く。

ヒルダも一緒に参加させる。


さて、このギルドカードともここでお別れかもな。

そんなことを思ってしばらく待っているとイグノアが事務室から出てきて受験者をまとめて試験会場へと移動を始めた。

今回の試験会場は国外で行われるらしい。


イグノアが説明を始めると

ニブルヘイムを使い一気に他の受験生を始末した。


「なっ!何だこの魔力は!」


一瞬のことで驚いているイグノアに近付く。

余りの冷気に満足に立てないでいるイグノアに声をかける。


他の冒険者達は一瞬で命を落とすほどの寒さだと言うのに、やはり凄いらしいなギルドマスターとやらは。

でも


「流石に満足に動けないようだな。イグノア?」

「お、お前は昨日の……」


おのれ、と剣を抜こうとするが。


「無駄だよ」


その手を先に掴んで止める。

手を凍らせていく。


「なっ!て、手が!!!」

「ついてきてもらうよギルドマスター」


奴隷契約を行う。

そうしてからヒルダも連れて俺は魔王城へ戻った。


その魔王室でイグノアを魔王様に突き出す。


「ど、どこだここは!」


イグノアが驚く中口を開いたのは魔王様だった。


「ようこそ魔王城へ」

「ま、魔王城だと?!」


そう言ってから俺を見てくるイグノア。

その時にヒルダの変装を解かせる。


「勇者パーティのヒルダ?!何故ここに!」


ヒルダに俺の体を触らせる。


「ご褒美後でくれますか?」


聞いてくるヒルダに頷いて頭を撫でてやりながらイグノアに答える。


「貴様、人間だろう?!何故人間が魔王軍側に!」

「勇者パーティのファラン。知らないか?」

「お、お前がそうなのか!勇者パーティを裏切ったという?!」


そう叫んでくるイグノア。

しゃがんで目線を合わせてやる。


「俺はもう魔王軍の人間さ。そこの魔王様に頼まれたんだよ。イグノアを始末してくれ、と」


そう告げるとイグノアが後ずさる。


「こ、殺さないでくれ」

「殺さないさ。お前は俺の奴隷にしてやる。あんたからはいい質の子が取れそうだしな」


そう告げて腕を掴んで引きずる。


「いいよな?魔王様。こいつ貰っちゃっても」

「構わん。奴隷契約は見えたからな」


そうお墨付きを貰った俺はイグノアをマスタールームへ連れ帰り楽しむことにしたのだが。


「ご主人様。開いているお手で気持ちよくさせてくれませんか?♡」


そう聞いてくるヒルダ。


「わ、私もお願いします。ファラン様♡」


ミーナも頼み込んでくる中俺は


「や、やめてくれ!そ、それだけはやめてくれ!」


泣き叫ぶイグノアを愛してやることにした。


「はぁ、はぁ……」


目が死んだ魚のようになっているイグノアを見ながら俺は子を食べる。


【レベルが上がりました。レベル75】


四天王の子を食べ、更に色んな奴の子を食べてきた俺。

最早止められる存在などほとんど居ないだろう。


「ははは……ははは……こりゃいい。最高だ」


ほんとに力が漲るようだ。

ヒルダとミーナと1回ずつしてからイグノアの頬をペチペチ叩く。


「ひ、ひぐ……もう、帰して……」

「泣き顔もそそるなぁ?もう一回させてくれよ」

「うぐぅ!」


こいつもそのうち自分から求めるようになるさ。

俺のこれにはとんでもない中毒性があるんだからな。


「安心しろよ。あんたもここのヒルダと同じように直ぐに自分から欲しがるようになるさ」


俺がそう言ってやると


「も、もっとくれ……」


そう言ってくるイグノア。

おいおい、もうかよ。


今までで1番早いじゃないか。


「はぁ……はぁ……」


肩で息をするイグノア。

時魔法。


本当に貰ってよかった。


「最高だよイグノア。あんたかなりいい具合だよ」

「も、もっとくれ……ファラン……それがないとだめなんだ」

「あんたもド変態になっちまったなぁ?!」


ははは、最高だよこの力。ほんとに。

勇者パーティにいた頃なんかより比べ物にならないほど何もかもが楽しい!


好き勝手に生きるのってこんなに楽しいんだな!!

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