第14話 前世の知識でオートエイムチートを作った。弾が吸い付く!チートだ!

「おい!メスブタぁ!」

「はい!ご主人様。何でしょうか!」


メスブタで馴染んだ聖女とこの前拾って奴隷にしたミーナを連れて今日も魔王城にきた。

この庭園はものすごく広い。


俺は2人に魔王城の壁に手をつかせた。

何を隠そう。俺は今日ここに技の練習に来たわけだ。


たまには特訓している姿を魔王様に見てもらいに来た訳だが。


「俺は向こうに行って離れる。お前らはここで俺に向けて、そのプリティなケツを突き出しておくんだ」

「は、はい!」


2人ともいい返事をする中魔王様が俺に声をかけてきた。


「ファランよ。何をアホなことをしているのだ?」

「練習だよ練習。俺のビッグマグナムの強化練習だよ」

「はぁ?」


魔王様に首を傾げられる。

見ていれば分かると言ったけど先に続ける魔王様。


「今日は注意しにきたのだ」

「何の?」

「ダンジョンについて、だ」


そう言って魔王様は俺に何かの表を見せてきた。

そこには俺達ダンジョンマスターの名前と預けられたダンジョンの名前がまとめられていた。


そして順位が付けられていた。

何の順位かは分からないが輝かしい俺の名前が1番下にあった。

俺の上にルゼルの名前。


「被害状況ランキングかな。やはり俺は優秀なようだ」

「違う。逆だ逆。お前のダンジョンは人1人挑みに来ないし倒していないでは無いか」


そう言われて思い出す。

そう言えば俺がダンジョンを預けられてから1人も挑戦者が来ていない。


「定期的にどれだけの冒険者を始末したか、などをリスト化するのだが、お前のダンジョンだけだ。1人も倒していないのは」


溜息を吐いてくる魔王様。

お前のダンジョンはダメだぞと言ってくる。


なんか魔王様が言うにはそれなりに冒険者を呼び寄せて冒険者を倒すと魔王様的にはいいことがあるらしい。


だからやる気出せとのことだが。


「まぁ、それだけだ」

「おっけ」

「何でズボン脱いでる?」


俺は学んだ。

脱ぎ捨てると回収する手間がある。


ズボンをアイテムポーチにしまって、50メートルくらい距離を取りマグナムを構える。


「何をするつもりだ?」


そう言ってくる魔王様の横で俺は


「ファイア!」


マグナムから弾丸を射出する。

俺の目は魔法で視力を強化してあるので何処に着弾するかは分かる。


「あつ!」


ヒルダの太腿に当たった。

ちなみに速度上昇のみしか付与していないので怪我をすることは無い。


「お前あほなのか?」

「俺は大真面目だが」


地面に向かってマグナムを撃ち込む。

ピュン!

ガン!


凄まじい音が鳴って地面がえぐれる。


「おぉ……アホな技のくせに威力はすごいな」

「これは銃とか鉄砲と言うのです」

「銃?」


聞いてくる魔王に説明する。遠距離攻撃が出来る武器だと。


「ふむ。なるほどな。確かに威力それから速度共に申し分ないな」

「だがやはりコントロールが上手くいかないな」


話しながら何発か飛ばしてみたが命中が悪く太股やお尻に当たりまくっていた。あのエリアはスコアを80-60に設定してある。


100点が取れない。

100点は本来俺の弾丸が命中すべきところに設定してある。


「魔王様、俺は100点満点を取りたいのです」

「あんな小さな的ここから命中させるの難しそうだが」


パン!

また撃ってみた。


今度はミーナに向けて。


「あつぃのぉ……」


やはり100点満点には入らない。

何故か髪の毛に着弾してしまった。


上すぎたようだ。

くっ……どうすればいい?


「くそ!どうやれば命中力がついてくるのだ!これは俺だけの技なのに!」


これでは遠距離戦では使いにくい。

俺は急所に当てたいのに!くそ!!!


蹲って地面を叩く!

そうしながら思い出した。


前世の知識を使うのだ。

保健体育とかいう授業で習ったじゃないか。


「分かったぞ。100点満点への当て方が」

「ほぅ?」


聞いてくる魔王に説明する。

俺の弾丸は本来の用途はこんなものには使わない。


そして俺の弾丸の下は基本的に女性のとあるものに向かって進む習性があるということ。

その習性をどうにかして保持したまま放てば勝手に向かってくれるのではないか?


しかし


「俺の弾丸は外に出た瞬間に死んでしまうらしい」


空気に触れると死ぬという話を聞いたことがある。

つまりそこから導き出される答えは


「そうか。ウォーターボールで包めばいいのでは?」


それなら空気に触れることなく俺の弾丸は生きたまま進み続けてくれるはずだ。


「ほう、訳が分からんがやってみなさい」


俺も自分で何を言っているのか分からなくなってきた。


「見ててくれ魔王。これが真!!!!マグナムファイアだ!!!!」


ピュン!

速度上昇魔法とウォーターボールを同時に弾丸にかけた。


「いけぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


射速は十分。

しかし


「くそ!距離があるせいで落ち込んでいく!」


今まで通りに時間経過と共に下に落ちていく。

しかし……

​───────奇跡が落ちた。


グググ、と俺の弾丸はその通る軌道を修正していた。

本来俺の弾丸が当たるべき場所に向かうように上に向かっていた。


「な、なんという事だ!今まで落ちていた弾丸が上に向かってる!」


これには魔王も驚いていたようだ。


「いけぇぇぇぇ!!!!!」


パァン!!!!!

ウォーターボールは弾けて中の弾丸だけがヒルダの100点満点にめり込んでいく。


「ぁ、ぁつぃのぉ……こ、こわれちゃぅ……」


その場でしゃがみこんでしまうヒルダ。


「よっしゃぁぁぁぁ!!!!!!」


俺のマグナムはオートエイムを手に入れていた。

今度は上に向かって飛ばしてみよう。


飛ばしてみたらその弾丸はあろう事か急に方向を変えてミーナの方に飛んでいく。

またしても100点へ命中。


「ぁ、ぁちゅぃのぉ♡とんでくりゅ〜♡」


ミーナもまた壁に付いていた手を離してその場に崩れてしまった。

オートエイムか、最高の武器だな。


これを防御魔法もかけて使えば俺は完全オートエイムチートを手に入れる事が出来る。


俺は手にしたオートエイムチートが嬉しくて何度も何度も発砲した。

その度にヒルダ達から声が上がる。


いや!最高だな!異世界!

その様子を見ていた魔王様が口を開いた。


「何だか分からんが凄く頭の悪そうな事の割に私は感動した。お前に敬意を表するよ。その諦めぬ心、見事であった」


そう言って俺にお金をくれる魔王様。


「その諦めぬ心は大事なものだ。お前はよくやった素晴らしい。本当に感動してしまった。これで美味いものでも食ってきなさい」

「ありがとう!魔王様!」


俺は魔王様の去りゆく背中を見送った。

あー、背は小さいのに、凄くその背中は大きなものに見える。


「決めたよ魔王様。あんたを絶対に俺は落としてみせるからな」


そう、胸に誓うのであった。


それとありがとう!保健体育の先生!

ピンチの時に救ってくださったこの御恩忘れはしません!



side???


女は1人庭園を見ながら佇んでいた。


「あんな下品なだけの男のどこがいいんだろうね。魔王様の考えていることもよく分からない」


戦力など我々で十分だろう。

そう言い残して女は去っていった。

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