第5話 そんなもの見せびらかすなよ欲しくなるだろ
2日が経った。
王城に帰ることなくルゼルはずっとマスタールームにいた。
何やら忙しいらしい。
俺はというとルゼルに一緒にいて欲しいという願いでずっとルゼルといるけど。
「だ、だめです……モンスターが育ちません……」
崩れるように膝を着くルゼル。
その時
「ルゼル?どうなってるのですか」
上品そうな女がブインと瞬間移動してきた。
魔王軍ってのはそこそこ実力があるならどいつもこいつもこのブインって瞬間移動が出来るらしい。
ちなみに俺もルゼルに手取り足取り教えてもらったから出来るようになったけど。
そのルゼルの顔と手を思い出したらやべ、また元気になりそう。
「ルゼル?報告しなさい。この黒の塔はあなたに任されたものですが、成果がいつまでも出なければ魔王様に報告しますよ」
「わ、分かっていますよイザベラ」
そう呼ばれたイザベラという女。
結構性格キツそうな女だ。
俺は知ってるよ。こういうのには関わらない方がいいってさ。
ルゼル、悪いんだけど俺この手のは苦手なんだよ。
ほら、めっちゃ鋭い目して俺の事見てる。
ん?俺の事見てる?
「あなたもそんなところでサボってないで手伝ってあげては?このままではルゼルが降格してしまいますよ?」
「いや、だって俺何も知らないし」
鼻で笑われた。
ほら、だから性格キツそうって言ったんだよ。
ちっ、イライラしてくるなぁほんと。この手のは。
「ルゼル?この黒の塔を任されたいのはあなたの他にもいるのですよ?」
「わ、分かってますけど」
そう言ってズルズル座り込んでしまうルゼル。
「モンスターが上手く育たないのです」
「あら、そうなのですね。では、この私が教えてあげましょうか?と思いましたけど、ユニークスキルは教えられませんでしたね」
そんなことを口にしてイザベラは意地悪そうな顔で笑ってスキルを起動した。
【モンスター育成スキル】
そんな名前のスキルだった。
なるほどね。
俺は魔王様に認められた特権階級だ。
つまり、俺をイライラさせたなら。
やり捨て
「なぁ、イザベラさん」
俺はベッドに座ってイザベラを呼びつける。
「どうしましたか?」
鼻で笑って俺を見て近付いてくる。
その手を掴んで俺はいつものように押し倒した。
「な、何を?!」
「寄越せよ。そのスキル。俺が使う」
一丁前に着物なんて着てやがるイザベラの服をむしり取って
「ハァ……」
【イザベラの子を入手しました】
右手に持った玉を食べる。
しょせんは四天王にもなれないサポートスキルの女。
そう思って強引に行ったが問題なかったな。
【獲得スキル、モンスター育成スキル】
「よ、よくもやってくれましたわね。あなた……人間の分際で」
イザベラが破れかけの服を着る。
「魔王様は俺を許してくれるぜ?イザベラ。なんたって俺は特別だからな」
俺はそう言っておく。
あの人の性格ならきっとこれくらいなら何の問題にもしない。
四天王に俺とやりなさいと言うくらいだからな。
「くっ、覚えておきなさい!」
そう言ってイザベラはどこかへ瞬間移動してしまった。
それを見送ってから俺はルゼルの横に近寄った。のだが。
顔を赤くして俺の服を掴んでくる。
「スキルのためとはいえ分かっていても他の人としてるのを見ると辛いですね」
「後でしようよ」
そう言いながら俺はルゼルを抱き寄せてスキルを起動した。
イザベラと全く同じスキルが起動した。
【モンスター育成スキル起動】
【育成するモンスターを選択してください】
・ゴブリン レベル11
→ゴブリン レベル12
・ゴブリン レベル10
こうしたらいいのかな?適当に選んでみると
【このゴブリンの強化内容を選んでください】
レベル:12
攻撃力:8
防御力:6
雑魚モンスターだから簡単なステータスだけらしい。
どうしたらいいんだろう?
【こちらでよろしいですか?】
レベル:9999
攻撃力:9999
防御力:9999
こんなふうに設定できたのでこれでいってみようとしたけど
【現在のレベルでは不可能です】
と出てきた。
流石に無理なのか。
と、よく見てみるとステータスポイントというのがあった。
現在50とあった。
レベル:50
攻撃力:48
防御力:46
これならスキルが適応できるらしかった。
【ゴブリンの強化が完了しました】
そう出てくる。
「す、すごいです!ゴブリンが成長しました!」
モニターを見ていたルゼルがそう喜んで俺に飛びついてきた。
しかも
【レベルが50に到達したためゴブリンが進化します。上位種のハイゴブリンになります。基礎ステータスが1.2倍になります】
そんな表示が出てきた。
そしてルゼルの配置するモンスター一覧にハイゴブリンが現れた。
「わっ!いきなり出てきました!す、すごいですね!このスキル!」
ありがとうございます!と俺に抱きついてきて更に服の上から俺の体を触ってくるルゼル。
「あ、あのルゼルさん?どこを触ってるんですか?」
「覚えましたよ。ファランさんの弱点♡」
毎日してるとは言えほんとに的確に俺の弱いとこを触ってくるなこの子。
そう。俺はつつーっと軽く触られるのすごい弱いんだよね。
「すごいですね。やっぱりモンスター育成スキルは。普通、ここまで育成出来たらより上位のダンジョンを任せてもらえるんですよ」
そう言いながら撫で続けるルゼル。
マジで分かってるなこの子。
俺の弱点をさ。
スキルを終了させてルゼルをベッドに連れていく。
後でいいわ!ゴブリンのレベル上げなんて!
それより大事なことがある!
「良かったですか?私の手は」
「やばい」
それ以外の言葉が出てこない。
IQが5くらいまで下がる。
俺の脳みそが考えるのをやめて息子に全ての思考回路を託すんだ。
「ルゼルはエッチだなぁ」
「え、エッチだなんてそんな」
そんなルゼルの口を塞ぐ。
もう我慢できない。
さっきイザベラを黙らせたばかりとは言え俺の息子はもう次の女の子を求めるようになっていた。
翌日。
結局あの後寝るまでずっとぶっ通しでルゼルと愛し合っていた。
俺の横で寝るルゼル。
ほんとに可愛いな〜この子。
いや。寝てない。
どこ行ったんだ?って思って
モゾモゾ動いてる掛け布団を剥がすとそこにはルゼルがいた。
ずっと俺の体を服の上から触っていた。
「あ、おはようございます♡よく眠れましたか?朝から元気ですねご子息は♡」
俺の肌を舐めたり触り続けるルゼル。
このままなのも辛いなので1度起きた。
この子えろ過ぎてやばい。
俺よりよっぽど性欲のモンスターだよ。
それからとりあえず何となくダンジョン内を映すモニターに目をやると。意外なものが映っていた。
「ん?セイレーンか?これ」
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