1月1日

 元旦。

 本来なら祝うべき日なんだろうけど、君がいなくなってしまう日が刻一刻と迫ってきているように感じて、僕は心から喜ぶことができなかったよ。

 病院は三が日でお休みだから君と電話をつないだ。

 いつもは顔を見ているから不思議な気分だね、今年は学校に行けるかな、お正月だからご飯が豪華でね……。

 子供のようにはしゃぐ君と、明るい太陽みたいな笑い声。

 君はこんなにも元気なのにね。


 ああ、嘘であればいいのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る