第28話 烙印


涙で私の心を作りましょう


私の幼い頃を思い出して


過去を峻別したいのに


涙の淡い道筋から過去の記憶が


スロモーションのようにフラッシュしては


今の私を痛めつけて


彼の存在を否定している


人格分裂させなければ生きていけなかった




私は人一倍外の世界が怖くて


いつ自分が殺されるか、ありもしない


妄想に惑わせられていた


涙は涙を流した人だけにしか


対処することは出来ない



いつも幸せで満たされ悪を悪と


糾弾するだけが


この上なくの幸福だと思い込んでいる


真の悪人がいつ自分を悪人と


烙印をするのか私はとても怖い




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