第34話 納豆
「マシール。尿に意識は宿る。腐った小便から出た元素番号15のリン。DNAの元だ……」
「鳥……。ヘブライ神殿を失った後、ユダヤ人は鶏を捧げた。性欲の権化、山羊ではない」
「鳥……」
「マシール。盗聴している存在が同じ音声を聞き、脳内プリオンを異常化させた後、その犯人が分かっても名前は音声に出すな。それで異常プリオンの同調は解ける……」
「おばちゃん! 鳥の南蛮焼き! 一つ」
「妖怪! あ、了解! 今日は早弁? 早給かい?!」
午前11時30分の学食。
「あ、おばちゃん! あいつら誰や?」
「ああ……」
二人が向く方向。
「なんか気味悪いやろ? いつも午前11時30分に来て、30分で帰るんやけど、テレビいつも水戸黄門の再放送しか合わせんの」
「そうなんや」
同じテレビ画面の電磁波で同調する目。
「そいつの隣の女は?」
「寮長の西尾は言う、人やろ? 中・高の美術教師やて? 関東の人間やから納豆食うんやけど、隣のやつは納豆苦手みたいやな……」
「水戸黄門見ながら、一方納豆食って、片方食わんのかい!
「気味悪い皆ゆうてるよ」
目から目へ移る電磁波は、やがてこのエリート高校学食から、首都へ、世界へ、その電磁波を目から目へ感染させていく……。
第34話 了
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