第22話 新米



「どうする。マシール。私達 新米しんまいなのにこんな所に来ちゃって?」


「心強い味方を見つける為には仕方ないよ。でも、レオンさん。いい人に会えて良かったね」


「本当! だって魔王の城の中にあるセーブする場所にテレポートの呪文でやって来れちゃうんだもの」 


 マシールとユーリの側で、魔王の城内部のマップを確認するのは、ジョス=レオンだ。


「7人のドワーフは、城の地下、牢獄に囚われている」


「いくら強力なパーティーを作る為とは言え、こんな所に来て私達大丈夫かなぁ」


「心配するな。俺が守ってやるから」

 

ユーリの心配に胸を叩いて応えたレオンの言葉に、ホッと胸を撫で下ろした二人の剣士。


「よし! 行くぞ!」


 3人はセーブポイントを離れ、地下の牢獄へと向かった。


「レオンさん。約束して下さい。もう魔物は一匹も殺さないと。調伏ちょうぶくだけにして下さい!」


「わかった!」


 じめじめした薄暗い地下を行く3人のパーティー。

 レオンは流石さすが歴戦のつわもの。あっという間に魔物を調伏していく。

 調伏。強制的に神上がりさせる荒業だ。

 いくら、れんが操るマシールが説得率100%を誇っていても此処ではかなわない。

 記録は、説得モードに入った時にカウントされるので、今マシールとユーリはただ黙って見ているだけだ。

 そして、大ダメージを与えて、もう参った! する位の時に説得モードに入り、マシールが説得する。記録はそうやって134回連続説得まで伸びていった。地下の門番も倒し、7人のドワーフを探す。三人は、一つ一つの牢獄を調べて行く。色々な冒険者達が囚われている。レオンは門番から奪った鍵で片っ端から助けて行く。そして、一番奥の牢獄の前で足を止める。牢獄の中には確かに数人のドワーフが座ってこちらを凝視する。


「何だ。お前達は?」


「お前達を助けに来た」


「いらぬ。余計なお世話だ。俺たちは此処が気に入っている」


「何だと?!」


 そうこうしている間にユーリが鍵を開ける。



第22話 了

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